HTCが再挑戦、国内SIMフリー市場で新風起こす -2機種投入 | GGSOKU - ガジェット速報

HTC NIPPON株式会社は1日、東京原宿でプレス向けイベントを開催し、日本市場向けにSIMロックフリースマートフォンの販売を開始すると発表しました。10月中旬より「HTC Desire EYE」「HTC Desire 626」の2機種を発売します。

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左から玉野浩社長、大澤玲美さん、大渕愛子さん、ジャック・トン氏

HTC Desire EYE

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HTC Desire EYEは昨年米国で発表されたスマートフォンで(過去記事)、メインカメラとフロントカメラの両方に約1300万画素のカメラを搭載しているのが大きな特徴です。

端末の両面にデュアルLEDフラッシュを搭載し美肌効果を採用するなどセルフィーに特化しており、メインカメラとフロントカメラの両方を使用してメインカメラの画像を背景に、フロントカメラでの撮影をする「クロップミーイン」や、搭載する2つのカメラを同時に使用して双方向の画像や動画を撮影する「スプリットキャプチャ」機能も搭載しています。スマートフォンのカメラの新たな使い方を提案した端末です。

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スプリットキャプチャを実演する大渕弁護士と大澤さん

スペックは以下の通りです。

ディスプレイ5.2インチ フルHD(1920 × 1080)
CPUクアルコム Snapdragon 801
2.3GHz クアッドコア
搭載OSAndroid 5.1 with Sense7.0
SIMカードタイプnano SIM
センサー加速度計
近接センサー
周囲光センサー
ジャイロセンサー
サイズ (H×W×T)
重さ
151.7 × 73.8 × 8.5 mm
154g
メインカメラ約1300万画素 f/2.0 28mmレンズ
フルHD動画撮影対応
デュアルLEDフラッシュ搭載
フロントカメラ約1300万画素 f/2.2 22mmレンズ
オートフォーカス・ズーム対応
フルHD動画撮影対応
デュアルLEDフラッシュ搭載
防水・防塵IPX7、IP5X
通信4G – LTE:
FDD-700/900/1800/2100/2600/800
TDD-2600/1900/2300/2500

2G/ 2.5G – GSM/GPRS/EDGE:


850/900/1800/1900

W-CDMA(HSPA+):


800/850/900/2100/1900
バッテリー2400mAh
リチウムポリマーバッテリー
RAM2GB
内臓ストレージ16GB
外部ストレージmicroSDカード(最大2TB)
外部接続3.5mmイヤホンジャック
NFC
Bluetooth 4.1
Wi-Fi 802.11 a/b/g/n (2.4 & 5 GHz)
DLNA
HTC Connect
micro-USB 2.0
バリエーションスカーレット
マリーン
サウンドHTC BoomSound
デュアルフロントステレオスピーカー
3つのマイクを搭載

発表会では、フロントカメラで撮影された画像も紹介されましたが、通常のスマートフォンのメインカメラで撮影されたようなホワイトバランスの整えられた綺麗な画像が撮影されていました。屋外での撮影でも、他のスマートフォンと比べ逆光を劇的に抑えていたのが印象的でした。

HTC Desire 626

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HTC Desire 626は今年2月に発表された端末です。ポップなデザインが特徴的で、機能を絞りファッションに敏感な層をターゲットにしています。ツートンカラーを採用した筐体の表面はグロス加工が施されており、サイドはマット調でホールド感を担保しています。

スペックは以下の通りです。

ディスプレイ5.0インチ HD(1280 × 720)
CPUクアルコム Snapdragon 410
1.2GHz クアッドコア
搭載OSAndroid 5.1 with Sense7.0
SIMカードタイプnano SIM
センサー加速度計
近接センサー
環境光センサー
磁気センサー
サイズ (H×W×T)
重さ
146.9 × 70.9 × 8.19 mm
140g
メインカメラ約1300万画素 f/2.2
フロントカメラ約500万画素 f/2.8
防水・防塵 -
通信4G – LTE:
Fdd-700/850/900/1800/2100/2600/800

2G/ 2.5G – GSM/GPRS/EDGE:


800/850/900/2100

W-CDMA(HSPA+):


800/850/900/2100
バッテリー2000mAh
リチウムポリマーバッテリー
RAM2GB
内臓ストレージ16GB
外部ストレージmicroSDカード(最大2TB)
外部接続3.5mmイヤホンジャック
NFC
Bluetooth 4.1
Wi-Fi 802.11 b/g/n (2.4GHz)
DLNA
HTC Connect
micro-USB 2.0
バリエーションマカロンピンク
マリーンブルー
サウンドステレオスピーカー
デジタルマイク

今回発表された2機種は、HTCらしいファッショナブルなデザインになっており、日本のSIMロックフリー市場で販売されている他の端末と差別化する個性的なものとなっています。HTC Desire EYEは税込価格で5万7024円、HTC Desire 626は3万2184円で、10月中旬より全国の家電量販店、オンラインショップから販売が開始されます。

「SIMロックフリー = “格安” スマホ」を払拭したい

HTC NIPPONの玉野社長は今回、この2機種で日本のSIMロックフリー市場で新たな価値を提供したいとする同社の展望についても語っています。

玉野社長は、SIMロックフリーのスマートフォンが大手量販店などで、「 “格安” スマホ」として販売されている現状について懸念を示し、「日本市場にあるこのようなイメージを払拭し、安くないとSIMフリーじゃないという考えを変えたい」と話しました。

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発表会後の囲み取材に応じる玉野社長

HTCが日本市場においてSIMロックフリー端末を提供するのは実は今回で2回目のことになります。2007年にSIMロックフリーのパイオニアとして日本市場に進出した際には、大手キャリアが主導でMVNO(移動体通信事業者)なども普及しておらず、その後SIMロックフリー端末の発表が続くことはありませんでした。

現在では、MVNOが少しづつ普及していますが、格安SIMの提供とともにスマートフォンにも格安というイメージがついて回ってしまっています。玉野社長は、「グローバルモデルで出すハイスペックモデルを日本でもいち早くお届けしたい」と話しており、これまでの「SIMロックフリー=格安スマホ」というイメージをなくしたい考えです。今回の端末については、すでに発表から時間が経っている端末で旬を逃しているものとも受け取れますが、「スタート時なので安定性を重要視して人気機種をピックアップした」としています。

日本では、未だにキャリア主導でシーズンごとに新機種の発表が行われていますが、HTCは従来通りキャリアにも端末を提供しつつ、その隙間にSIMロックフリー端末を直接量販店やオンラインショップで提供していくとのことです。

このタイミングでの再参入については、「昨年11月ごろから需要調査をしており、来年以降市場がより成長する兆しが見えたため、今年夏以降に参入するのがベストであると考えた」とのことです。来年4月以降には携帯端末全体の約1〜2割をSIMロックフリー端末が占めるとの希望を交えた予測をしており、HTC自らSIMロックフリーに関するサービスセンターも開設。MVNO各社のSIMカードの販売も開始し、端末だけでなく通信面でのアフターサービスにも対応します。HTCが取り扱うSIMカードについては、現在OCNとシンプルなプランを計画しており価格などの調整を行っているとのことですが、順次拡大していくとしています。

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HTC Desire EYEとHTC Desire 626というグロバールモデル2機種を引っさげて日本のSIMロックフリー市場への再挑戦を表明したHTC。キャリアに握られたフラッグシップスマートフォンを追う日本の消費者の目をSIMロックフリー端末に向けさせることができるのでしょうか。端末を提供するキャリアとの兼ね合いもあり、なかなか一筋縄にはいかない様相ですが、玉野社長は「この2機種で市場の動向を見て、次の新製品を検討していきたい」としています。

囲み取材ではWindows Phoneについての話も出ましたが、「法人からのSIMロックフリー需要があることは認知しているが、コンシューマー向けになると本当に売れるのかどうか分からず、今後見極めていきたい」と期待を含めた発言もありました。

日本政府は、携帯端末のSIMロックフリー化に加え、国内キャリア3社に利用料を抑えるように競争させたい考えを示しており、今回のHTCの再挑戦には追い風が吹いているようにも感じます。