15分置きに爆撃、患者が炎に=アフガンの病院空爆―国境なき医師団 | ニコニコニュース

 【ニューデリー時事】「15分置きに爆撃が繰り返された」。国際医療支援団体「国境なき医師団(MSF)」は3日深夜(日本時間4日未明)、アフガニスタン北部クンドゥズの病院が空爆された当時の状況を記した声明を発表し、「国際人道法に反した唾棄すべき行為だ」と糾弾した。

 声明によると、駐アフガン国際部隊による爆撃は午前2時8分から同3時15分まで、約1時間にわたって行われた。

 MSFのアフガン代表者ナガラトナム氏は「爆弾が建物を直撃した後、軍用機が上空を旋回する音が聞こえた。しばらく間が空いて、また爆撃。これが何度も繰り返された」と振り返る。

 同氏が外に走り出た時、病院の本館は既に炎に包まれていた。「自力で動ける患者は防空壕(ごう)へ逃げ込んだが、身動きの取れない患者はベッドの上で焼け死ぬしかなかった」。爆撃は集中治療室などが入る本館を狙ったかのように見受けられた。実際、その他の建物にはほとんど被害がなかった。

 空爆当時、医師らは未明まで患者の処置に追われていた。「まるで空が落ちてきたかのようだった」。医師のムサデク氏はAFP通信に、空爆の様子をこう語り、「人の命を救うために昼も夜も働いていた医療関係者が殺されるなんて、信じられない」と声を詰まらせた。

 MSFは誤爆を避けるため、アフガン治安部隊や国際部隊、反政府勢力タリバンなど全ての関係者に病院の正確な位置を通知していた。それにもかかわらず空爆が行われたことについて、「『巻き添え被害』で済まされるものではない」と強く非難した。

 空爆では医療関係者と患者ら22人が死亡、37人が重傷を負った。死者には子供の患者3人も含まれていたという。米軍を主力とする駐アフガン国際部隊の司令官は3日、ガニ大統領に謝罪。カーター米国防長官は「徹底した調査を進める」と約束した。