ホラー映画の金字塔『悪魔のいけにえ』をごう音で上映! 高橋ヨシキ、中原昌也も「完璧な映画」 | ニコニコニュース

『悪魔のいけにえ』公開40周年記念版ごう音上映会が行われ高橋ヨシキ(左)、中原昌也がその魅力を語り合った
シネマトゥデイ

 ホラー映画の金字塔『悪魔のいけにえ』公開40周年記念版ごう音上映会が4日に新宿ピカデリーで行われ、本作ポスターのアート・ディレクターを務めた高橋ヨシキ、そして映画評論家の中原昌也がその魅力を語り合った。

『悪魔のいけにえ』公開40周年記念版オフィシャルサイト

 映画史に名を刻むトビー・フーパー監督の傑作が全米で公開されたのは1974年10月4日のこと。その記念すべき日に合わせて大スクリーン、7.1チャンネルでのごう音上映をこの日限定で決行。貴重な機会ということでチケットは完売となった。この日は同作を初めて観るという人の姿もちらほらあり、高橋も「本当にしあわせな人たちですね。できることなら代わりたい」と笑顔を見せた。

 とはいえ、40年以上にわたり、多くの識者によって語り継がれてきた同作だけに、「いまさら何を語ればいいのか問題はありますよね」と笑う高橋。「1980年代はスプラッターものの全盛期で、特殊メーク的な流れには入らなかった。それこそ90年代に(1994年に刊行されたムック)『悪趣味洋画劇場』で中原さんが取りあげていて。こんな作品を取りあげる人がいるんだなと思ったくらいだから」と指摘する。

 「この映画の音響で好きなのは、(恐怖の)絶叫が効果音に埋もれているところ。そこが感動を与えてくれる感じですね」と語った中原は、「今回、驚いたのが、細部に作者の意図が貫かれていること。圧倒されましたね。それからマリリン・バーンズが絶叫するところが、ぶつ切りで来る感じ。予測不能でカッコいいんですよ。サディスティックな感じを最大限に表現している」としみじみ。高橋も「完全な映画という言葉以外に言葉が見つからないですね。カメラとか技術的なこともそうだし、現場、キャラクター、どこから見ても面白い」とほれぼれした表情を見せた。

 本作ポスターの製作にあたり、雑誌「ビッグコミック」の表紙などを手掛けるイラストレーターの金子ナンペイにイラストを依頼した、と切り出した高橋は、「金子さんはこの映画を観たことがないというんで、DVDをお貸ししたら、夜中に『いったい何なんですか!』と興奮した声で電話が来た。そういう意味でも本当にすごい映画だなと。空前絶後ですね」と笑いながら付け加えた。(取材・文:壬生智裕)

映画『悪魔のいけにえ 公開40周年記念版』は10月24日より渋谷HUMAXシネマほかにて全国順次公開