Siriを「おもちゃ」と酷評した企業、半年後アップルに買収される

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「だったら君たちが作ってよ」ってこと?

アップルが英国のスタートアップVocalIQを買収したことが分かりました。

VocalIQは、ケンブリッジ大学で対話システムの研究をしてきたSteve Young教授が研究チームからスピンアウトさせて設立した企業です。音声認識機能と自然言語処理システムの開発が事業内容で、GMと提携して車載システムのアプリケーションを開発したこともありました。

同社は、今年の3月にスマートデバイスの主戦場が視覚的なUXから聴覚的なUXに移ったことを指摘しつつ、「アップルのSiriは、ウチのシステムと比べればおもちゃ並のシロモノだ」と自社ブログで酷評していました。これまでのパーソナルアシスタントは、結局のところ、想定問答を再生しているに過ぎないというのです。

ですが、その半年後にアップルはVocalIQを買収。条件などは明らかにされていないものの、Siriや車載システムCarPlayの開発に携わると予想されています。

VocalIQの技術の特徴は、単なる自然言語処理システムだけでなく、ディープラーニングによる優れた自律学習の機能を持っていること。すでにSiriにも音声認識に対応したディープラーニング機能は搭載されていましたが、より実用的でスマートなSiriが開発されるとなれば、アップルユーザーとしては楽しみですよね。


source: Bloomberg,vocaliq,CarPlay

(高橋ミレイ)

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