名探偵コナンが使う特殊アイテム――その使用の際の注意事項を弁護士が解説 | ニコニコニュース

名探偵コナンが使う特殊アイテム――その使用の際の注意事項を弁護士が解説
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大人気アニメの「名探偵コナン」。天才的な高校生探偵の工藤新一が、薬の作用で小学一年生の体になってしまったものの、正体を隠しながらその小さな体で難事件を解決していくという異色のサスペンスだ。親しみのあるキャラクターは、子どもから大人にまで幅広い人気だが、実は、この主人公の設定が特殊なためか、「教えて!goo」には、テレビの「名探偵コナン」のラスト何分かのシーンしか見ていなかった人から、次のような質問が寄せられた。

「名探偵コナンのラストシーンについての疑問」

質問者は、「コナンが蝶ネクタイに向かって喋ってる事と同じ内容の事をおじさんが喋ってるシーンをよく見ます」と、謎解きのシーンでのコナンと眠りの小五郎の関係がわからずに、あれはどういうことなのかと聞いている。

■必須アイテム!腕時計型麻酔銃

これはコナンのファンなら誰でも知っている常識的なことではあるが、さすがにコナンのファンはみんな優しい。次のように丁寧に説明してくれている。

「蝶ネクタイは変声機です。これで そのおじさんの声を出してます」(takntさん)

「江戸川コナンは、高校生探偵の工藤新一が薬によって小学生にされてしまっているので、面とむかって自分の推理を言うことができません。ですから、名探偵の毛利小五郎が話しているようにして自分の推理を話しているのです」(knitさん)

「通常は眠りの小五郎なるおじさんの声で謎解きをします。その時おじさんは大体コナンの腕時計から発射される針に塗られている睡眠薬で寝てますが……」(PAPA0427さん)

そう、コナンは、腕時計型麻酔銃で毛利小五郎を眠らせ、蝶ネクタイ型変声機で声を変え、眠りの小五郎として事件を解決するのである。これらは、小学生になったコナンに無くてはならない、まさに必須アイテムなのである。

■人を勝手に眠らせてもいいの?

ところで、これもまた素朴な疑問なのではあるが、いかに事件を解決するためとは言え、毛利小五郎を麻酔銃で眠らせるというのは、法的に問題はないのだろうか。もしも違法な行為だったとしたら、犯罪に立ち向かうために犯罪を犯しているようで、スッキリしないのだが……。


この疑問を、レイ法律事務所の佐藤大和弁護士に伺ってみた。

「法律上、人にケガを負わせたときは、傷害罪という犯罪になります。そして、この『傷害』とは、人の健康状態を悪化させることを言います。つまり、外見だけの怪我に限りません」

外見だけの怪我に限らないということは、外傷がなくても「傷害罪」が成立するということだろうか。そう言えば薬物入りの飲み物を飲ませて傷害で逮捕された事件があったが、そういうことだろうか。

「大抵コナンくんは、小五郎さんに対して、腕時計型麻酔銃を撃って眠りに落ちさせます。このコナンくんの行為は、小五郎さんの意識を低下させ眠らせており、『人の健康状態』を悪化させているといえるため、『傷害』と評価できます」

なるほど。では、やはり腕時計型麻酔銃を使って毛利小五郎を眠らせる行為は、犯罪と断言していいのだろうか。

「まぁ、でも、小五郎さんはヘビースモーカーで大酒飲みですから、健康が悪化しても麻酔銃のせいだと証明するのは難しいような気もします(笑)」

おお、これは佐藤弁護士もかなりのコナン通である。確かに毛利小五郎の日常生活から考えると、睡眠が健康状態の悪化になるとは言い切れない場合もあるだろう。むしろ、定期的に睡眠を取らせることは、健康状態の悪化を防いでいる行為と言えるかもしれない!?


もしそこまで計算していたとすれば、さすがコナンである。

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