Amazonが多様なIoTシステムを構築/稼働/管理できる総合IoTプラットホームAWS IoTを立ち上げ | TechCrunch Japan

物のインターネット(Internet of Things, IoT)に、また大物がやってくる。今日(米国時間10/8)はAmazonが、ラスベガスで行われたデベロッパカンファレンスre:Inventで、誰かが首を長くして待っていたAWSのIoTプラットホームを発表した。

Amazonによるとそれは、いわゆるマネージドクラウドプラットホーム(管理サービスを伴うクラウドプラットホーム)で、その上で“インターネットに接続したデバイスが容易にかつセキュアに、クラウドアプリケーションやそのほかのデバイス”と対話をする。まだベータだが、最終的には何十億のデバイスと何兆ものメッセージをサポートし、“それらのメッセージを処理してAWSのエンドポイントやそのほかのデバイスに高い信頼性とセキュリティを伴って送ることができる”、という。

AWS IoTはAWS LambdaやAmazon Kinesis、Amazon S3、Amazon Machine Learning、Amazon DynamoDBなどを統合してIoTアプリケーションを作り、インフラストラクチャを管理し、データを分析する。

“インターネットに接続しただけで便利になるわけではない”、とAmazonのCTO Werner Vogelsは今日のキーノートで語る。そしてその言葉のとおりAmazonは、さまざまなオブジェクトのためのさまざまなサービスが複合した、総合的なプラットホームを目指している。そこに複数のオブジェクトが集まって協調的に動き、企業にトラフィックと売上をもたらすだけでなく、もちろんまとめ役のAmazonにも利益をもたらす。

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Vogelsによるとこのプラットホームには、デバイスゲートウェイ、ルールベースのエンジン、デバイスに関するデータを保存するレジストリ、そしてAmazonがDevice Shadowsと呼ぶ機能が含まれる。それは、デバイスのオフライン時のデータを記録しておき、再びオンラインになったときにシステムに送り返す、という機能だ。扱うデバイスは特定されない。Vogelsはジョーク混じりに、“この会場にあるすべてのデバイスがうちのプラットホームに乗ってもよい”、と言った。

同社はIoTプラットホーム2lemteryを今年の前半に買収したから、今日の発表はそれほど意外ではない。しかも、クラウドサービスで競合するMicrosoftが、やはりIoTをクラウドコンピューティングの要(かなめ)のひとつにする、と発表したばかりだ。

デベロッパがこのプラットホームを利用すると、デバイスからのデータを、標準性のあるゲートウェイと、MQTTやHTTPSなどのプロトコルを使って取り込むことが、容易にできるようになる。

AWSのそのほかのサービスと同じく、IoTプラットホームの料金も完全従量制で、基本料金というものはない。この場合何の量かというと、デバイスとAWS IoT間を行き来するメッセージの量だ。ユーザの、AWSエコシステム内での居心地を良くするために、メッセージをほかのAWSサービスに送るのは無料だ(Amazon S3, Amazon DynamoDB, AWS Lambda, Amazon Kinesis,Amazon SNS, Amazon SQS)。

AWS IoTには無料プランもあり、1か月のメッセージ(往+来)が25万までは無料だ。その後の料金は、下表のようになる:

[リージョン] [百万メッセージあたりの料金(ドル)]

Region Price
US East (N. Virginia) $5 per million messages
US West (Oregon) $5 per million messages
EU (Ireland) $5 per million messages
Asia Pacific (Tokyo) $8 per million messages

この記事の制作に協力した人: Frederic Lardinois

AWS re:Invent 2015

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。