【モスクワ時事】日ロ両政府は8日、外務次官級協議をモスクワのロシア外務省別館で開き、北方領土問題を含む平和条約交渉を再開した。協議は約7時間に及んだが、双方は原則的立場を主張、話し合いは平行線に終わった。次官級による協議を緊密化することでは一致した。

 杉山晋輔外務審議官は協議終了後、記者団に「法的、歴史的観点から協議したが、非常に厳しい交渉だった」と説明。「大きな展望が開けたとは言えない」と語り、ロシア側が強硬姿勢を崩さなかったことを明らかにした。次回の日程も決まらなかった。協議では、プーチン大統領の来日日程も議題に上ったという。

 平和条約交渉に限定した次官級協議は、昨年1月に東京で行われて以来、1年9カ月ぶり。ロシア側からはモルグロフ外務次官が出席した。領土問題について、日本側は北方四島の帰属が確認されれば、返還の時期や方法は柔軟に対応する方針。これに対し、ロシア側は第2次世界大戦の結果、ロシア領になったと主張している。