中村修二氏が檄「若者よ、日本を捨て海外へ出よ!」 | ニコニコニュース

ノーベル物理学賞受賞者・中村修二氏と集まった学生たち。この後は、学生たちのスマホによる記念撮影も受け入れていた
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​​ジャパンエフエムネットワーク(全国FM放送協議会)による特別番組「FMフェスティバル 未来授業2015」の公開収録がこのたび行われ、2014年度ノーベル物理学賞受賞者で電子工学者の中村修二氏らが講師として参加。集まった大学生を相手に、特別講義を行った。

【写真を見る】青色LEDライトを手にする中村氏。日本の社会や企業について「おかしい」「間違っている」「狂っている」と過激な表現も織り交ぜながら、大学生に意識変革を訴えかけた

中村氏の授業のテーマは「日本にこのまま留まるつもりの人へ」。日本の企業内研究者からカリフォルニア大学サンタバーバラ校教授に転じた経歴をもち、日本社会に対する過激な言動で物議を醸すことも多い中村氏は、この日も学生たちに"アジテーション"を繰り返した。

■常識を捨てるために、5年は海外に行け!

中村氏が何度も学生たちに訴えかけたのは「留学でもなんでもいいから、最低5年は海外へ行ってほしい」ということ。その理由として、「日本の中にいたままでは、日本の"間違った"価値観でしか物事を考えられない。若い皆さんには、そういう古い考えは捨て去って、もっとグローバルな視点をもってほしい」からだと続けた。それに対して、大学生のひとりから「海外に行くだけのはっきりした目的がないんです」という消極的な意見が出ると、「何をやりたいのか分からない人こそ海外に行くべき! 生きるために言語を学ぶ。それだけでも意味があるし、そのうち何かやりたいことが出てくる」と背中を押していた。

■日本経済復活に期待するな!​​

海外に出るべき理由として、日本経済の衰退についても触れられた。中村氏は、シャープを例に出しながら日本の大企業は今後安泰ではないとして、「日本企業はいいモノを作れる。ただ、それを世界でうまく売ることができないんです。日本のビジネスマンは英語ができない人ばかりでしょ? そんな人たちが世界市場を相手にマーケティングができるはずない」と断言。「だから皆さんは、日本の大企業に就職して安定した生活を…などと考えないほうがいい。いつ会社が傾くか分からないのだから」と語りかけ、海外に行って若者たちの"起業家精神"を目の当たりにするべきだと訴えた。

■若さがあれば失敗しても取り返せ​​る!

「そうは言っても、大企業には惹かれる」との声が大学生から出ると、「若いのにそんなに保守的でどうするの?」と中村氏は仰天しつつ、「日本の企業で働いていても、役職につけたとしても年収1000万円にいくかいかないか。若者がそんなものを目標としている日本社会を"狂っている"と思う」と強い言葉を口に。「若い人ならば、夢を大きく持って欲しい。自分で会社を起こして、マイクロソフトやグーグルを目指すような、億万長者を目標とするような、それぐらいの気持ちを持っていないとダメだ」と檄を飛ばし、日本でも海外ででも構わないのでまず起業を考えるべきと繰り返した。そして、たとえ失敗しても若さがあれば取り返せる、若い力が盛り上がらないと日本は復活できないのだ、との熱い言葉を大学生たちに投げかけ続けた。

なお、この中村氏の講義は、演出家・宮本亜門氏、日本紛争予防センター(JCCP)理事長・瀬谷ルミ子氏らの講義とともに、11月3日(火)昼4.00からTOKYO FMをはじめとするJFN38局にて放送される予定になっている。