『イッテQ』元Pが挑む新垣結衣主演『掟上今日子』に注目 | ニコニコニュース

日本テレビ系連続ドラマ『掟上今日子の備忘録』(毎週土曜 後9:00)は10日スタート (C)日本テレビ
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 女優・新垣結衣の白髪メガネビジュアルと人気作家・西尾維新氏の作品を初実写化で放送前から注目を浴びている日本テレビ系ドラマ『掟上今日子の備忘録』(10日スタート、毎週土曜 後9:00)。プロデューサーの松本京子氏は『特命リサーチ』(1996~2004年)『ワールド☆レコーズ』(04~05年)、そして、放送中の『世界の果てまでイッテQ!』など17年間にわたってバラエティー番組を担当。今年、入社以来、念願だったドラマ班への異動がかない、連ドラに初挑戦することとなった。プロデューサー歴は17年だが、ドラマは“1年生”の松本氏が指揮を執る『掟上今日子』の見どころを探る。

【場面写真】新垣結衣演じる掟上今日子の名推理が冴え渡る

 『掟上今日子~』は新垣演じる記憶が1日しか持たないお金をこよなく愛する美人探偵が、「どんな事件でも1日で解決する」ミステリー。いつも犯人に間違われ、今日子に助けを求める隠館厄介(かくしだて・やくすけ)役を岡田将生が演じる。厄介は会うたびに今日子を好きになるのに、今日子は覚えていない…という切ない恋愛や“記憶”のはかなさ、大切さもテーマとして描いていく。

 原作者の西尾氏も『掟上今日子』は「実写化に向いている」と話していたそうで、オリジナルキャラクターである絆井法郎(きずない・ほうろう)や也川塗(なりかわ・ぬる)なども西尾氏自らその独特なセンスで名前を付けた。また原作表紙でVOFANが担当する可愛らしいイラストの今日子を再現すべく、新垣の白髮ウィッグは白やピンクの混じった特注ものを用意するなど、実写版としてその世界観を守っている。

 白髪メガネという奇抜なビジュアルな今日子だが、飄々とした口調と要所要所でみせるキュートな笑顔が新垣にしっかりとハマっている。冒頭からのシャワーシーンや自分の体に書き込んだメモを確認するため、路上でスカートをめくり上げて素肌を露わにするなどちょっぴりドキッとするようなシーンでは新たな魅力も垣間見せる。

 それは、松本プロデューサーにとって「私がみたかった新垣さん」なのだという。「新垣さんは笑顔が素敵で表情が豊かな女優さんだと思います。最近の映画では笑わない役など重いものが多かったので、コメディー要素のある、“はっちゃけた”新垣さんが見たかった。対して岡田さんは最近では“男性バディ”ものが多かったけど、恋愛要素のある話が見てみたかった」と思い入れを明かした。

 「子どもも大人も、いろんな楽しみ方ができるフックをたくさん散りばめていきたい」と松本プロデューサー。その言葉どおり第一話では視覚的にも楽しめるテロップ演出など、さまざまな工夫がなされ、物語の世界観へと誘う。

 「ドラマ生活が長いプロデューサーさんは知識も得意なジャンルもそれぞれたくさんある。私にはドラマでの実績はないけどバラエティをやっていたという個性、人生経験がある。それをドラマに生かせるかはこれからですが、ドラマへの想いをあきらめなかったことは自信になりますね」と力を込める。

 ドラマ界に何か一石を投じたいことはあるかと聞くと「そんな大それたことは…(笑)」と恐縮。「でも、娯楽の中心がテレビだった頃とは違う。そんな中でも、オンタイムで観たいから家に帰らなきゃと思わせたい。街から人が消える…、そんな現象をもう一度テレビで起こすことが夢ですね」。バラエティー出身ならではの経験と個性が、ドラマ界に新しい風を吹かせるかもしれない。