クラウドベースの開発環境を提供するWeeby.coは、モバイルゲームの開発時間を大幅に短縮する | TechCrunch Japan

Michael Carter と彼が立ち上げたWeeby.co のチームは、モバイルゲームをAppleのApp Storeからクラウドに解き放したいと考えている。

マウンテンビュー、カストロ通りに位置するオフィスで、Weeby.coのチームは最初のクラウドベースのモバイルゲーム開発環境を構築している。この新たなクラウドベースの開発環境はゲームの物理エンジンと可視化エンジンを兼ね備えた統合開発環境だ。それに加え、Weeby.coはシームレスにゲームとSNSを統合し、ユーザーは他のユーザーとゲームで対抗することができる。

Weeby.coはモバイル端末のアプリ開発にかかる長いプロセスを短縮したいと考えている。面倒なiOS開発プロセスを経て、App Storeに提出したアプリの承認を待つことなく、開発者はHTML5 で製作したゲームをそのままデプロイしてシェアすることができる。これができる主な理由は、HTML5のゲームもこれまでネイティブアプリにしか出来なかった性能や機能に匹敵するまでになったからだとCarterは説明する。

「モバイル端末は実質的に開発環境なのです」とCarterは言う。「ネイティブのiOSアプリをiOS環境で、あるいはiOS端末でAndroidアプリを製作することができます。2つ端末があれば、一つは開発用、一つはデバッグ用に使用できます」。

Alsop Louie Ventures のパートナーでWeeby.coのアドバイザーを務めるErnestine Fuは、完全にクラウドだけで開発できることで、ユーザーは新たな力を手に入れることになると話す。

「Weeby.coのチームはモバイルアプリとゲームの未来を作っています」とFuは言う。「LTEを超えてブレークポイントを設定できるシステムを他に私は知りません。設定とプロビジョニングも必要ありません」。

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Weeby.coがサポートする各ゲームエンジンはWeeby.comのプラットフォームに特化したカスタムセットのライブラリが付いてくる。全てをクラウド上で管理することで、Weeby.coの開発時間はXCodeの5分の1まで大幅な時間短縮が見込めるという。

現在ユーザーはHTML5用のゲームをダウンロードするか、ネイティブのスマートフォンアプリに素早く作りかえることができる。いずれの場合も、Weeby.coは同社のAmazon Web ServicesのSimple Storage Serviceのアカウントに無料でアプリをホストし、開発者にゲームをホストするハイパーリンクを送付する。

Weeby.coの長期的な目標はゲーム開発環境を構築するに留まらない。Carterはゲームの発行元にもなりたいという。WeChatのようにウェブブラウザ内にエンベッドするアプリのための新たなアプリストアになりたいと考えている。

「AdobeとStreamを合わせたようなサービスです」とCarterは言う。「私たちはアプリやゲームをどこでも製作できる最良のツールを作りたいと考えています。現在私たちはXCodeや他の競合製品より素早く、良いアプリを開発できる環境を提供しています」。

Weeby.coは誰でも開発環境を利用できるようにする考えだが、パートナーのアプリストアに掲載するコンテンツの発行元に対してはプレミアムサービスとして提供する。

「現在、誰でも私たちのゲームの統合開発環境を利用できるようにしようと考えています。プロ版の方は発行元用のサービスです」とCarterは言う。

現在のビジョンも壮大なものだが、彼らがその先の未来に思い描くビジョンはさらに大きい。

「私たちは将来、次世代を担う子供たちにコードを学ぶための取り組みを行っていきたいと考えています」とMichaelは言う。

彼はMITのMedia Labからインスピレーションを受けたという。Media Labは子供向けに可視化したプログラミング言語「Scratch」を開発し、子供たちはゲームのコピーを製作したり、自分なりの変更を加えて独自の開発を始めたりすることができる。

Weeby.coがXCodeとAppleから開発の主導権を奪えるかどうかはまだ分からない。ただ、もしこのテクノロジーがデモの通りにシームレスに使えるのなら、Weeby.coの未来は確実に明るいものとなるだろう。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter