日中双方の国民感情に改善の兆し 「最悪の時期は出しつつある」の分析も=香港メディア | ニコニコニュース

サーチナ

 香港メディアの鳳凰網は24日、日本を訪れる中国人旅行客が猛烈な勢いで増えていることについて、「日中の国民感情は改善しつつあるように見える」としながらも、それでも中国のインターネット上に日本を罵る声が多いのはなぜなのかと疑問を投げかける記事を掲載した。

 記事は、日本政府観光局のデータを引用し、2015年8月における中国からの訪日外客数は前年同月比133.1%増の59万人に達したと伝え、日本の航空会社の日中間の路線も高い搭乗率を維持していることで大きな利益につながっていると報じた。

 続けて、日本と中国は政治面では関係が冷え込んでいるとしながらも、経済面では非常に密接な関係を維持しているとし、「経済が日中関係の基礎となっている」と指摘。また、近年は日本を訪れる中国人旅行客が「急増」と表現しても良いほどに増えていると伝えた。

 一方で記事は、中国のネット上では「日本を訪れ、大量の買い物をしている中国人を罵るコメントが見られる」と伝え、「これだけ多くの中国人が日本を訪れているということは、日中の国民感情が改善しているということではないのか」と主張。続けて、非営利団体「言論NPO」が行った世論調査を引用し、日本と中国ともに互いに「良くない印象」を持っている国民の割合が前年の調査に比べて減少していたことを伝え、「最悪の時期は脱しつつある」との分析があると報じた。

 一方で、同調査では「安倍晋三首相の戦後70年談話」に対して不満を示した中国人の割合が74.1%に達し、「日本という言葉から連想すること」について南京大虐殺を挙げた中国人が前年比12.4%増の47.9%に達したことを紹介。多くの中国人旅行客が日本を訪れるなか、今なお中国のインターネット上に日本を罵る声が多いのは、「中国人の日本に対する感情は今なお複雑だからだ」と論じた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C)Fabio Formaggio/123RF.COM)