日本の児童ポルノや虐待状況などを視察するため来日した国連特別報告者で人権専門家のマオド・ド・ブーア・ブキッキオ氏は26日、東京都内の日本記者クラブで会見し、児童の性的搾取に対してより包括的な対応策が必要との認識を示した。

 国連人権理事会で特別報告者に任命された同氏は19日に来日。東京や那覇などを視察し、警察や関係省庁、NGOの代表らと面会した。最終調査報告書は来年3月、人権理事会に提出される。

 同氏は会見で、日本では昨年、改正児童ポルノ禁止法が成立し、国際基準に近づいたと評価。一方、児童の性的搾取撲滅には警察のより積極的な役割や重罰化、被害に応じた支援の拡充などが必要だと訴えた。

 また、インターネットの影響で児童ポルノなどが「もうかるビジネス」になっていると指摘し、こうした搾取には社会として「寛容になり過ぎない」ことが重要と強調。失業率が高い沖縄での視察を踏まえ、「貧困がセックス産業につながる」と分析し、対策を求めた。