欧米では「東方文化と言えば日本文化を指す」、文学においても日本と差=中国 | ニコニコニュース

サーチナ

 中国人作家の莫言氏が2012年のノーベル文学賞を受賞するなど、中国文学は世界で一定の評価を得ていると言えよう。近年は国外の出版社の協力のもと、英語をはじめとする主要言語に翻訳されて中国国外でも出版される中国文学作品も増えつつある。

 しかし、中国メディアの澎湃新聞は19日、欧米では「東方文化と言えば日本文化を指すようになっている」と主張し、なぜ欧米では日本の文学作品のほうが中国の作品よりも歓迎されているのかと疑問を投げかける記事を掲載した。

 記事は、中国の作品も近年、欧米で高い評価を得るようになったとしながらも、それでも市場では日本の文学作品のほうが中国作品より圧倒的に歓迎され、受け入れられていると指摘。その背後には米国と日本の関係の深さという要因のほか、「大衆受けを考慮した作品作りがある」と論じた。

 一方で、大衆受けを狙いすぎるあまりに日本の文学作品は「文学としての新しい取り組みや価値のあるブレークスルーが生まれなくなっている」と主張。

 文学作品として見た場合、中国の作品の価値は日本の作品に決して劣らないと主張し、いずれ世界の文学は中国を中心として動くことになるはずだとしながらも、「市場に受け入れられている程度として見た場合は日本の文学作品のほうが中国作品を圧倒しているのが現実」と主張した。

 中国では村上春樹氏や東野圭吾氏は広く知られた存在と言える。特に近年は東野圭吾氏の人気が高く、東野氏の「ナミヤ雑貨店の奇蹟」は非常に好調な売れ行きだ。一方、魯迅のような人物は日本人ならば誰でも名前を耳にしたことがあるだろうが、日本で広く知られた現代の中国人作家はどれだけいるだろうか。欧米の市場だけでなく、日中それぞれの市場においても、両国の文学の力量の差が現れていると言えよう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)