【モスクワ時事】シリア北部国境でトルコ軍機による撃墜後、生還したロシア軍機の乗員が25日、ロシア国営メディアなどの取材に「トルコ領空は1秒も侵犯していない」と主張した。トルコの発表に真っ向から反論した。

 乗員はコンスタンチン・ムラフチン大尉で、緊急脱出後、シリア軍に救出された。「すぐにでも任務に復帰したい」と述べている。

 乗員によると、撃墜前は「高度6000メートル、天気は快晴」だった。誤ってトルコ側に侵入する飛行状況でなかったと主張。自身が飛行ルートを管理し、もう一人の乗員に伝える立場だった。「当該空域はこれまで何度も軍事作戦で飛行していた」と訴えている。

 トルコ軍の緊急発進(スクランブル)機による撃墜は「突然起き、回避行動が取れなかった」と状況を説明。無線による警告も、機体を接近させて行う視覚的な警告も「全くなかった」と強調した。空対空ミサイルはロシア軍機の後部に命中したという。