菊地直子被告
共同通信社

 東京都庁小包爆弾事件に関与したとして、一審東京地裁で懲役5年の判決を受けた元オウム真理教信者菊地直子被告(43)の控訴審判決で、東京高裁は27日、一審判決を破棄し、無罪を言い渡した。大島隆明裁判長は一審が有罪の根拠とした元教団幹部井上嘉浩死刑囚(45)の証言を「信用できない」と指摘した。

 爆薬原料の運び役として起訴された菊地被告に、原料の薬品が事件に使われるという認識があったかが争点で、弁護側は無罪を主張していた。

 裁判員裁判だった一審東京地裁判決は、井上死刑囚から実際に製造した爆薬を見せられ「頑張ります」と応じたと認定し、殺人未遂ほう助罪で有罪とした。