中国が南シナ海で陸軍を増強  「最大の支援船」配備、ヘリ搭載も可能 | ニコニコニュース

サーチナ

 中国新聞社は24日、三沙市政府が同日、中国陸軍が保有する最大の艦船である総合支援船が23日、同市に配備された。三沙市は南シナ海の南沙諸島(スプラトリー諸島)、西沙諸島(パラセル諸島)、中沙諸島(スカボロー礁など)を所管する市だ。

 発表された写真からは「GY820」との番号が確認できる。中国新聞社は支援船の全長は90メートルで幅は14.6メートル、最大排水量は2700トンで、ヘリコプターの発着が可能と紹介した。

 同船は大型施設用資材を積み込むことを可能。記事は「三沙方面への物資の補給、装備の輸送、海難救助などの支援を行う。同船の投入で、南シナ海方面における陸軍の大型支援船の空白という状況が埋められることになった」と報じた。

 三沙市は南シナ海の領有権を強調する政治目的のために、2012年に設立された市だ。住民は400人あまりで、ほとんどが西沙諸島の永興島に住んでいる。中国は南沙諸島では国際法上「島」と認められる陸地を実効支配していない。南沙諸島の島を実効支配しているのは、台湾、ベトナム、フィリピンなどで、中国は埋め立てによる人工島を保有している。

 「GY820」が派遣される海域は不明。南沙諸島とすれば、埋め立てを加速させ米軍との緊張が高まったジョンソン南礁(赤瓜礁)への資材運搬の可能性がある。「GY820」は、地上設置型のレーダー装置や対空・対艦ミサイルを積み込むこともできると考えるのが自然だ。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:CNSPHOTO。永興島の漁民の定住拠点として建てられ、7月に完成した住宅)