イラン人同士の殺人事件で有罪判決が確定し、服役した男性(46)への強制退去処分の是非が争われた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁は27日、「帰国後に公開処刑される可能性が高い」との判断を示し、送還先を「イラン」とした部分を違法として取り消した。

 石井寛明裁判長は判決理由で、イスラム教徒の殺害についてイランの刑法は「殺人者は殺される」と定め、同じ事件を2度裁くことを禁じた「一事不再理」のルールもないと指摘。世論動向や犯罪予防の必要性を理由に、クレーンを使った公開の絞首刑の例もある実情に触れ「生命に危険が発生するのは日本の法制度に照らすと認めがたい」と述べた。