性感染症の一つで治療が遅れると死に至ることがある梅毒について、女性の感染者数が昨年の2倍に増加していることが28日、厚生労働省のまとめで分かった。妊婦が感染すると死産につながる恐れもあり、同省はチラシを自治体に配布するなど啓発を強化する。

 厚労省によると、今年報告があった梅毒の感染者は、10月までに2037人に上った。女性は574人で、昨年同時期と比べ2倍に増えた。特に20代前半は同2.7倍で、増加が著しかった。女性全体では、124人だった2010年に比べ、4.6倍に増えている。

 梅毒は性交渉を通じて感染し、初期段階で陰部にしこりなどが生じる。早期の薬物治療で完治が可能だが、一度治っても再び感染することがあり、厚労省はコンドームの使用を呼び掛けている。