人類のイノベーションの結晶「トイレ」は日本企業によって昇華した? | ニコニコニュース

サーチナ

 悠久の歴史のなかで、人類は知恵を駆使し、さまざまなものを発明してきた。電話や自動車、暖房器具などは今ではありふれたものだが、それらの発明品は後の世代のイノベーションによって改良に改良が加えられ、現代の人類に非常に大きな恩恵をもたらしている。

 中国メディアの中国新聞社は人類のイノベーションの結晶の1つとして「トイレ」に注目し、どのようにして現代の人類が温水洗浄便座の恩恵を得るに至ったかを伝えている。

 「トイレ」というものがなかったはるか昔、人びとは屋外で用を足していたことだろう。記事は、中国においては漢朝の時代に「玉」製の携帯用の尿瓶が皇帝のために作られ、これが中国におけるトイレの前身となったと紹介。

 さらに、16世紀末の英国で、貴族が人類史初のタンク式水洗トイレを発明、それは木製の洋式風トイレだった。このトイレは当時の女王に献上されたというから、そのトイレが当時の社会においていかに画期的で貴重なものであったかがわかる。その後、1775年、英国においてトイレに改良がなされ、タンクに自動貯水機能が付与され、1778年にはトイレにU字管が付き悪臭対策が取られたと伝えた。

 また記事は陶器製のトイレが誕生したのは1883年だったとし、木製トイレの漏水や不衛生さ、長持ちしないなどの弱点を克服した伝えた。現代のトイレがことごとく備えている特長は、長い年月を経ながら1つ1つと改善されてきた結果であることがわかる。

 さらに時はながれ、日本企業が洗浄便座の開発に着手、1980年には商品化され、トイレ文化の新しい時代を切り開いたと紹介。洗浄便座はその後、さまざまな先端技術と融合し、ノズルによる洗浄機能だけでなく、乾燥や脱臭機能も備わるようになり、1つの製品として「昇華」するに至った。

 現代の日本人にとって今やありふれたものである洗浄便座だが、トイレの歴史を振り返ると現代のトイレは長い年月のイノベーションの積み重ねであることがわかる。現代の人類は貴重な遺産を受け継いでいると言えるだろう。また今後、トイレにはどのようにイノベーションが加えられてゆくのだろうか。最近ではスマートフォンと連動できるトイレも登場しており、用を足す時にでもトイレの未来に思いを馳せるのも面白いかもしれない。(編集担当:村山健二)(写真はイメージ:サーチナ編集部撮影)