UAEの日本テレビドラマ、アニメ、ゲーム JETROが市場調査レポートを公開 | ニコニコニュース

日本貿易振興機構(JETRO)は、中東地域の経済の要であるUAEのコンテンツ産業の最新動向をまとめた。「UAE のコンテンツ産業 市場調査 (テレビドラマ、アニメ、ゲーム分野)」をサイトにて公開している。
JETROは国内のコンテンツ産業の支援策の一環として、かねてより世界各国のコンテンツ市場、特に日本コンテンツ関連市場の調査・レポートを続けている。とりわけ最近は「ベトナムにおける映像市場調査」「ブラジルにおけるゲーム市場調査」「インドネシアにおける音楽市場調査報告書」「中南米における映像コンテンツ産業の現状」「タイにおける音楽コンサート市場調査」など未開拓市場に注力する。欧米、アジアの主要国の情報が以前より蓄積する中で、一般企業などでは手が回らない地域をカバーするかたちだ。

今回レポートをまとめたUAEもそのひとつである。テレビドラマ、アニメ、ゲームの3分野を市場規模や市場構造、トレンドなどで解説する。特に関連企業のリストや展示会、イベントの情報は、JETROならではの充実である。コンテンツ関係者の多くが関心を持つ、中近東における規制、法律なども解説されている。


アニメ分野では、地域のアニメーション全体の動向、日本アニメの動向を分けて調査している。なかでも現地関係者の指摘は貴重だ。また調査によれば地域のアニメーション産業は拡大傾向で、日本アニメについても専門店の拡大などから市場拡大の可能性について言及し、日本アニメの影響を強く受けた中東初のロボットアニメ「Torkaizer」なども紹介する。

一方で、日本と中近東とのアニメの関わりは、現在は大きくないようだ。中東への日本のアニメへの進出は全世界の1%、また現地関係者のインタビューからは、日本が中東のアニメ市場に関心がないとの指摘もみられる。


実際にこの地域の日本コンテンツ産業の動向はJETROによるもの以外にはほとんど存在しない。しかも、今回の調査も2010年から5年ぶりとかなり期間が空いた。ここからも日本のコンテンツ産業と中東の距離が窺われる。
中近東にはサウジアラビアのような所得も高く、人口も多い大国、イラク、イラン、エジプトなどの人口の多い国、UAE各国のような高所得国がある。経済成長も続く。日本のコンテンツへの関心も高いのではないかと指摘もあり、潜在的な市場はありそうだ。
アニメに関しては近年アジア、北米などの地域での取引が拡大している。今後は、他地域へのビジネスの関心も増しそうだ。そうした時に、「UAE のコンテンツ産業 市場調査 (テレビドラマ、アニメ、ゲーム分野)」が活用されそうだ。

UAEのコンテンツ産業市場調査(2015年10月)


https://www.jetro.go.jp/world/reports/2015/02/80bfb5b32597dde7.html

[アニメ!アニメ!ビズ/www.animeanime.bizより転載]