「重要問題に正しく対応」=中国主席が安倍首相に

 【パリ時事】安倍晋三首相は30日午後(日本時間同日夜)、パリ郊外で中国の習近平国家主席と約4分間、立ち話した。安倍首相が先の李克強首相との会談内容を伝えたのに対し、習主席は「お互いのセンシティブ(重要)な問題に正しく対応し、(日中)関係を大事にしていきたい」との考えを示した。

 両首脳の接触は、南シナ海で中国が造成した人工島付近を米艦が航行して以降初めて。習主席の発言は、米国との連携を強める日本側をけん制する狙いがあるとみられる。習主席は「2国間関係が変わってきている兆候が見られる」とも語った。

 一方、安倍首相は経済界の交流に言及し、「人的交流を通じた協力をさらに進めていきたい」と強調。習主席は「日中は共通の利益を有している。われわれが引き続き、この良好な雰囲気を深めることが重要だ」と応じた。