小田和正、佐藤浩市主演「64-ロクヨン-」主題歌書き下ろし | ニコニコニュース

小田和正
音楽ナタリー

小田和正が2016年に全国公開される映画「64-ロクヨン-前編 / 後編」の主題歌として、新曲「風は止んだ」を書き下ろしたことが明らかになった。

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映画のメガホンを取る瀬々敬久監督からオファーを受け、これを小田が快諾したことから実現した今回のタッグ。小田は横山秀夫の原作小説を読んだ上で、優しいメロディと普遍的な歌詞が印象的な、映画に寄り添うような「風は止んだ」を作り上げた。

なお「64-ロクヨン-前編 / 後編」は主演を佐藤浩市が務め、綾野剛、榮倉奈々、瑛太、三浦友和、永瀬正敏、吉岡秀隆、仲村トオル、椎名桔平、滝藤賢一、奥田瑛二、夏川結衣、緒形直人、窪田正孝といった実力派俳優たちが脇を固める社会派ドラマ。映画は前編が5月7日に、後編が6月11日に公開される。

瀬々敬久 コメント

たった7日間しかなかった昭和64年。平成という時代になって大きく社会も人々も変化した。だが、昭和という時代にまだ忘れ物をしたように生きている人たちがいる。そういう人たちの切ない思いが錯綜する映画、それが「64-ロクヨン-前編 / 後編」だと思いました。それらの思いを抱えつつ、ラストには生きる希望を伝えたかった。それを支えるには小田和正さんが作る楽曲が相応しいのではないか。そう思い、小田さんにお願いしました。

生まれて来た そのわけは


今もまだ 分らないけど それでも
生きてゆく その意味は
少しだけ 分ったかも しれない

出来上がった曲の歌詞はこう始まります。僕は感動と共にある喜びを感じました。この歌詞からすぐに、ブルース・スプリングティーンの「生きる理由」という曲を思い出したのです。


スプリングスティーンがテレンス・マリック監督作品「地獄の逃避行」を見て想を得て作ったアルバム「ネブラスカ」、その中のラストを飾る曲です。
その後、ショーン・ペンは「ネブラスカ」の中の「ハイウェイ・パトロール」という曲からヒントを得て映画「インディアン・ランナー」を作ります。
そのアルバムの最後を括る「生きる理由」。人は、苦しい時であればあるほど、「生きる理由(わけ)」を探します。「64-ロクヨン-前編 / 後編」もそういう人々の大きな集合体である映画です。荒涼とした大地、ネブラスカと同じように北関東のささくれ立った風景の中で展開していく「64-ロクヨン-前編 / 後編」の世界に挿す一筋の光、それが今回の小田さんの楽曲です。
この曲のおかげで映画はさらに大きなものを得ることが出来ました。小田さん、本当に感謝しています。ありがとうございました!

佐藤浩市氏 コメント

映画「64-ロクヨン-前編 / 後編」は、原作を読んだときから大変な仕事になるという覚悟を決めて撮影に臨んだ作品。
完成した映画のラストに小田和正さんの曲が流れたとき、ようやく永い戦いが終わったように穏やかな気持ちになれました。