靖国神社(東京都千代田区)敷地内の公衆トイレで爆発音がした事件で、トイレ付近の防犯カメラに写っていた不審な男が、事件発生当日の11月23日に出国していたことが3日、捜査関係者への取材で分かった。男は20代後半の韓国人とみられることも判明。警視庁公安部は、男の滞在期間中の詳しい足取りなど、事件との関連を慎重に調べている。

 捜査関係者によると、現場周辺の防犯カメラの解析から、男が千代田区内のホテルを利用していたことが分かり、公安部は家宅捜索を実施。男に関する捜査を進めた結果、20代後半の韓国人で、事件の2日前に入国、発生当日に出国したことを確認した。

 トイレの天井裏から見つかったのは、火薬のようなものが詰まった長さ約20センチの金属パイプ4本。床には時限式発火装置とみられるものや、ハングル表記の乾電池が落ちていた。発生時間や稚拙な装置の構造などから、公安部は過激派グループによるゲリラ事件の可能性は低いとみている。