伝説の球体関節人形作家・天野可淡がよみがえる―観る者を震撼させる衝撃の作品群 | ニコニコニュース

『天野可淡 復活譚』
ダ・ヴィンチニュース

 1990年に37歳の若さで亡くなった、伝説の球体関節人形作家・天野可淡(あまのかたん)。2015年は没後25年となる節目の年。観る者を震撼させる衝撃の作品群『天野可淡 復活譚』が、2015年12月14日(月)に発売される。

【画像あり】詳しくはダ・ヴィンチニュースへ

 『天野可淡 復活譚』は、可淡人形の展覧会を数多く開催してきた、人形蒐集家で写真家の片岡佐吉が15年近くにわたり撮りためてきた、可淡人形の作品集。可淡人形の棲み家を屋内のみならず、屋外に求めて撮影を敢行した。

 天野可淡の人気は没後も衰えることなく、萩尾望都、綾辻行人、高山宏、大塚英志などが追悼作品集に言葉を寄せるなど、球体関節人形の第一人者で在り続けている。『天野可淡 復活譚』の巻末エッセイには、綾辻行人がこのような言葉を添えている。

「人形は虚ろ。虚ろであるからこそ、それは見る者・撮る者の精神からさまざまな想いを吸収し、さまざまな”物語”をこの世に現出させるのである」綾辻行人(巻末エッセイより)

 また、天野可淡に魅せられ、撮影し続けてきた片岡佐吉からは、このようなコメントが届いている。

「情熱的で耽美で、大地から呻き上がるような存在感。人に愛される人形よりも人を愛する人形を―。可淡人形は、その願いを込められてこの世に生まれた。人の心の底をえぐりとる可淡人形たちの棲み家が、ここにある。」人形蒐集家・写真家 片岡佐吉

 人のみならず、生きとし生けるもの、架空の生きもの。すべてが息づく可淡人形の、永遠の棲み家がここに誕生した。

■『天野可淡 復活譚』


写真:片岡佐吉
価格:2,800円(+税)
発売日:2015年12月14日(月)
仕様:B5判/カラー67点掲載/全80ページ
出版社:KADOKAWA

天野可淡(あまの かたん)


1953年東京生まれ。女子美術大学で洋画を専攻、在学中より人形製作を開始。手先が器用で、衣装なども瞬時に作り上げたという。77年、劇団民藝による「炎の人」の小道具として人形製作協力、81年に初の個展。85年より東京都美術館の「齣展」に出品、プランタン銀座で開かれた「第一回人形達展」で審査員特別賞、「第二回人形達展」でテクニック賞、「第十二回現代童画展」で奨励賞。異様なまでの気魄に満ちた球体関節人形でカリスマ的な人気を博し、89年、人形作品写真集『KATAN DOLL』、90年、『KATAN DOLL fantasm』を出版。しかし90年11月1日午前11時10分、可淡は37歳の若さで事故により永眠した。没後も人気は衰えることなく、追悼作品集『KATAN DOLL RETROSPECTIVE』が刊行され、萩尾望都、綾辻行人、高山宏、大塚英志が言葉を寄せるなど、球体関節人形の第一人者で在り続けている。

片岡佐吉(かたおか さきち)


人形蒐集家、写真家。1978年、札幌で「人形屋佐吉」を開店。84年、表参道・モリハナエビルに表参道店を開店し、全国各地で人形展覧会を開催。2001年、東京・御徒町に人形博物館「マリアクローチェ」をオープン。03年に渋谷へと場所を移し、「マリアの心臓」へと生まれ変わる。多数の人形展、絵画展、ライブや映画イベントなどを開催。11年に閉館後、15年、京都・大原に再び「マリアの心臓」をオープン。写真集に『幻日(まほろび)の少女』『人形姫』『震える眼蓋』『人形月』『桜子と市松人形たち』『トゥーランドット姫とアンティークビスクドールたち』。