【プロ野球】あのメジャー経験者は移籍前後で成績や年棒はどう変化したのか | ニコニコニュース

【プロ野球】あのメジャー経験者は移籍前後で成績や年棒はどう変化したのか
デイリーニュースオンライン

 日本プロ野球から海を渡ってメジャーリーグへ挑戦する選手は日本で突出した成績を残したものに限られる。首位打者や最多安打、本塁打王など輝かしいタイトルを手土産にアメリカへ向かう。では、彼らはメジャーへ行く前と帰ってきた後でどのような成績を残しているのか。印象的な数字を見せた3人の打者を、それに伴う年俸とともに振り返ってみたい。

●落差激しい岩村、帰国後に数字を上げた新庄

 ますは今季、貧打に苦しむチーム内で好成績を残した阪神タイガースの福留孝介の場合。移籍前シーズンは打率3割5厘だったものの、日本復帰直後のシーズンは2割3分へと大きく下げてしまった。1試合平均本塁打は0.18本から0.09本へ半減し、1試合平均打点も0.6点から0.39点へ下降した。年俸も、3.85億円から1.5億円となっている。

 福留以上に大きな落差を見せた選手がいる。それが現在、BCリーグの福島ホープスで選手兼任監督を務める岩村明憲だ。打率は3割から2割1分6厘へ、1試合平均本塁打は0.19本から0.02本へ、1試合平均打点は0.58点から0.21点へ下がっている。年俸の変化は2.16億円から1.5億円。ちなみに両者とも盗塁や得点といった数字も下がってしまった。

 ユニークなのは阪神タイガースからニューヨーク・メッツへ移籍し(途中、サンフランシスコ・ジャイアンツに移籍後、復帰)、日本帰国後は北海道日本ハムファイターズへ入団した新庄剛志だろう。驚異的なのは打率が2割4分8厘から2割6分7厘へ上がっている点。メジャーの経験が無駄に終わらず、バッティング技術が磨かれた結果だろう。長打力も向上し、1試合平均本塁打も0.14本から0.17本へと増え、1試合平均打点も0.49点から0.55点へと増加した。また、稀有なのは年俸もメジャー移籍前の7800万円から8000万円プラス出来高とアップしたことだ。

 多くの選手が日本国内で突出した成績を残し、実力のピークで渡米することを考えると、帰国後に数字を上げた新庄のような選手はしばらく出てこないだろう。記録より記憶の残る選手を目指した新庄らしい記録である。

取材・文/織田順恭