【日本と海外の違い】日本の男女別グループはヘン!? 全然違う世界の「男女間」友情事情 | ニコニコニュース

マイナビスチューデント

いろいろある「日本と海外の違い」ですが、とくに学校生活や会社員生活をしていく中で、その違いがよりリアルに見えてくることが多いようです。

筆者の友達のドイツ人女性は十代のころ、日本の高校に一年間交換留学をしていたのですが、「一年の間に『女の子』のお友達はたくさんできたけど、『男の子』の友達はゼロ。けっきょく同じクラスの男の子とは一年間一言も話す機会がなかった」と嘆いていました(笑)。曰く、お昼の時間になると、同じクラスの女子が集まってきて、「一緒にお弁当食べよう!」と誘ってくれたそうなのだが、そのグループに男子はおらず、ずっと女子とばかり行動していたため、一年の間にとうとうニッポンの男子と言葉を交わすことはなかったんだそうです。まあ、高校生というと十代ですし、シャイな男子も多いのかもしれませんね。ただここはやはり「文化の違い」を感じます。

ドイツを含む欧州では、子供はもちろん、思春期の十代になっても、そしてその後社会人となっても、「男女がともに」行動することが多いです。日本にありがちな、自然に「男子のグループ」、「女子のグループ」へと分かれていき、それぞれ別々に行動する、という現象はヨーロッパではあまり見られないのですね。

日本の場合は、積極的に異性とかかわろうとすると、周囲からはやし立てられたりもするので、それも恥ずかしいし、けっきょく「男子は男子と行動」「女子は女子と行動」となるといった事情もあるようです。そういえば筆者も小学校と中学校時代、土曜日はドイツで日本人学校に通っており、今もたまに当時の友達に会いますが、全員が女性で、当時同じクラスにいた男子に関しては名前を思い出せなかったりします。

後に日本の会社で仕事をするようになってからも、お昼休みは女性同士で食べていました。社員食堂を何気なく見渡すと、やはり「男性は男性同士でランチ」、「女性社員は女性同士のグループでランチ」をしていることが多かったです。社員食堂でもなんとなく男性と女性とで分かれていたのですね。もちろん同性の女子同士で過ごす居心地のよさもあるのですけどね。

欧州の場合、前述の通り大人はもちろん男性と女性が混ざって行動することが多いですし、子供や思春期の十代の子に関しても、女子校でない限り、男の子と女の子が一緒に行動するのが常です。当然、就職して社会人となった後も女性社員と男性社員が混ざって行動することが多いです。欧州にいわゆる「女子会」が少ないのはそのあたりが理由かもしれません。

そんな中、欧州は日本よりも、男と女の友情が育ちやすいです。もちろん日本にも男と女が長年友情関係の場合もありますが、なんというか筆者の経験上、日本の場合は当人達はそれでよくても、周りの人に「はやしたてられる」ことが少なくないのです(笑)

当人同士は「友達」と言う認識でも、周りが「本当に恋愛感情ないの?」と確認をしたり、その二人がシングルな場合「せっかくだから付き合っちゃいなよ!」とくっつけようとしたり。実際に筆者にもドイツはミュンヘンに幼馴染の男性がいるのですが、その人が何年か前に日本に遊びに来て筆者の家に10日間ほど泊まった際には、周りがちょっとした大騒ぎになってしまいました(笑)出かける先では恋人だと思われるし、「え?10日間も同じ屋根の下にいて、何も進展なかったの?」といった趣旨の質問をそれはたくさんされた記憶があります(笑)幼馴染だしお友達だし、筆者としては女性のお友達と同じ扱いだったんですけどね。でも周りからするとそうは思わない部分もあるようです。

その点、ヨーロッパの友達同士の男女を見ていると、本当に女性同士と同じ感覚で、男性のお友達と一緒にキャンプに出かけたリ、泊りがけで同じテントに寝たりとしているのですよね。もちろん念のためにお断りしておくとお友達なのでロマンチックなことは何一つありません。

日本には「男女七歳にして席を同じうせず」という言い回しがあるぐらいですし、その感覚が多少残っているのか、やはり女性同士は女性同士で固まり、男性同士は男性同士で行動をともにすることが全体の傾向として多いようです。

たしかに例えば社員食堂で「女性は女性同士で食べる」のが慣例になっている場合、ヘタに男性に混ざって食べようとしたら変に噂になってしまいそうです。ただし、男と女が頻繁に一緒にいると何かあるハズ……だとは限らないので、もしかしたらそこをキチンと意識することが男と女の友情を育むポイントかもしれません。

サンドラ・ヘフェリン

プロフィール/ドイツ・ミュンヘン出身。日本歴18年。日本語とドイツ語の両方が母国語。自身が日独ハーフであることから、「ハーフといじめ問題」「バイリンガル教育について」など、「多文化共生」をテーマに執筆活動をしている。コミックエッセイ「『小顔』ってニホンではホメ言葉なんだ!?」(KKベストセラーズ。原作: サンドラ・ヘフェリン、漫画: 流水りんこ)が発売中。