【カイロ時事】エジプトにあるイスラム教スンニ派の最高権威機関アズハルはこのほど、過激派組織「イスラム国」に傾倒する若者に関するリポートを公表した。多くの男性は「自分探し」、女性は「ヒーローとの結婚」が動機になっていると指摘。特に女性については、欧州居住者が過激思想に影響されやすいと分析している。

 アズハルは今年、同組織の台頭を受け、世界各地での過激派の動向や宣伝活動をチェックする「アズハル監視団」を設置した。監視団が先月発表したリポートによれば、例えばスペインで、同組織は北アフリカ諸国からの移民家庭の17、18歳くらいの若者を標的に勧誘活動を行っている。

 同組織は、ソーシャルネットワークなどへの投稿から、(1)精神的にもろい(2)帰属意識の弱さに悩んでいる―といった傾向がある若者を探して接触。過激思想を教え込むことに注力しているという。

 同組織の働き掛けにより、男性は、異教徒へのジハード(聖戦)や「イスラム国」の建国思想にひかれ、帰属意識や人生の目標を見いだす傾向がある。女性は、「ヒーローのような男性」に憧れて結婚願望を抱いたりして、共鳴を深めていく傾向があるという。