容疑者、「過激化」真相は謎=宗教めぐり口論も―米銃乱射事件 | ニコニコニュース

 【サンバーナディーノ(米カリフォルニア州)時事】米カリフォルニア州サンバーナディーノの福祉施設で起きた銃乱射事件で、イスラム教徒の容疑者夫婦が職場の同僚ら14人を殺害する「テロリスト」に変貌を遂げた経緯は謎のままだ。米連邦捜査局(FBI)は妻のタシュフィーン・マリク容疑者(29)が過去に住んでいたサウジアラビアの関係当局などとも協力し動機の解明を急ぐ。

 ロイター通信によると、夫のサイード・ファルーク容疑者(28)は事件前、同僚と宗教をめぐって口論となったことがあり、捜査当局が事件との関連を調べている。同僚から「イスラム教は危険を内在している」と非難されたという。

 ファルーク容疑者はイリノイ州シカゴで生まれ、カリフォルニア州で育った。郡の公衆衛生局の検査官として、安定した収入を得ていた。容疑者が3〜4週間前まで通っていたモスク(イスラム礼拝所)の関係者によると、昼休みを利用して週に2、3回来ていた。同じモスクに通う男子学生のニザーム・アリさん(23)は「過激な思想は全く感じなかった」と今でも信じられない様子だ。

 一つの転機と考えられるのが、妻のマリク容疑者との出会いだ。同容疑者はパキスタンで生まれ、サウジで育った。交流サイトでファルーク容疑者と知り合い、2014年7月に渡米した。

 米国在住の親族はCNNテレビに対し「典型的な主婦で、犯行の心当たりはない」と証言。一方、複数の米メディアは6日、パキスタン在住の別の親族の話として、以前は今風だった服装がイスラム教の伝統的な衣装に変わるなど、数年前から信心深くなっていったと報じた。

 マリク容疑者はサウジ政府が警戒する過激派のリストに入っていなかった。一方で、過激派組織「イスラム国」に感化されていたとみられ、マリク容疑者の思想が夫に影響を与えたとの見方もある。マリク容疑者の背後関係の解明も捜査のカギを握りそうだ。