小泉純一郎元首相は10日発売の月刊誌「文芸春秋」インタビューで、安全保障関連法を先の通常国会で成立させた安倍晋三首相の手法について「全部強引に押し切ってしまう。先急いでいる」と苦言を呈した。その上で「私だったら民主党を味方につけた。1国会置いた」と述べ、時間をかけて幅広い合意形成を図るべきだったと指摘した。

 小泉氏はかつての自民党を「総理に何を言おうが自由だった。ただ、決まれば従う」と振り返り、「今は決まる前から総理のご意向に黙っちゃうから、おかしい」と批判。次男の進次郎氏に首相の素質があるかと問われ、「今見ればある。勉強しているし、私より慎重だ」と評価した。

 持論の「脱原発」にも言及し、「総理が原発ゼロやるって決断すれば、自民党だって経産省だって反対できない。国民の6、7割もついてくる。こんなチャンスない。それを逸しちゃった。今はもうできない」と語った。