気温上昇「1.5度未満」も言及=新枠組みで議長が合意案―COP21 | ニコニコニュース

 【パリ時事】パリ郊外で開催中の国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)は9日、ファビウス議長(フランス外相)が2020年以降の地球温暖化対策の新たな国際枠組みに関する暫定的な合意案を締約国に提示した。産業革命前からの世界の平均気温の上昇幅を1.5度未満に抑える内容を選択肢として盛り込んだ。同日夜(日本時間10日未明)の会合で、各国から合意案への意見を聴取した上で、最終案を取りまとめる方針だ。

 議長案は29ページで構成され、作業部会が5日にまとめた合意文書案から10ページ以上圧縮した。ただ、多くの条項で各国の異なる主張が残っており、調整にはなお曲折が予想される。

 議長案によると、気温上昇に関しては従来の目標である「2度未満」とともに、島しょ国の主張を踏まえ1.5度未満に抑える内容を明記。温室効果ガスの抑制に向けた世界全体の長期目標では、具体的に数値を盛り込んだ内容のほか、「脱炭素化に向けた長期的な低排出への変革」などが選択肢として示された。また、各国が提出した温室ガス削減目標は、5年ごとに見直すこととした。

 焦点となっている20年以降の途上国への資金支援では、「年1000億ドルから拡大」など、先進国が難色を示す主張が残り、引き続き交渉を続ける。