韓国の綱引きが無形文化遺産に、中国は落選 「麻雀」や「闘鶏」を遺産にとの声も | ニコニコニュース

サーチナ

 韓国・ベトナム・カンボジア・フィリピンの4カ国が共同で申請した「綱引き」がユネスコの無形文化遺産に登録された。これで韓国の無形文化遺産の数は合計18件となった。

 中国メディアの国際在線はこのほど、韓国の「綱引き」が無形文化遺産に登録される一方、中国の太極拳は登録失敗に終わったと紹介する記事を掲載。さらに韓国の「綱引き」が無形文化遺産に登録されたことに対する中国ネットユーザーのコメントも簡単に紹介した。

 記事は無形文化遺産に登録された韓国の「綱引き」について、この競技に用いられる綱は干した稲わらを撚り合わせて作られ、その長さや太さは参加人数によって決まると紹介している。数百人が参加する場合は綱の直径は50-60cm、長さは300-400mにも達することを伝えており、日本の綱引きとは少し異なることが分かる。おのずと「直径50cmの綱をどうやって引くのか?」という疑問が生じるが、1-2m間隔に「枝綱」なる通常サイズの綱が主綱に括り付けられていて、参加者はこの枝綱を引くことにより競技を楽しむことができるという。

 記事はさらに、韓国の綱引きには約450年の歴史があり、巨大な綱を用いての競技大会が年に1度催されると紹介している。記事に掲載されている「国際綱引き節」の写真を見る限り、用いられている綱の直径は1mを優に超えており、その周囲一帯は足の踏み場がないほどの参加者で埋め尽くされている。干した稲藁でこうした綱を作り上げるだけも毎年大きなエネルギーが必要なのは一目瞭然であり、「綱引き」が韓国文化を形成している大切な伝統文化のひとつであることがわかる。

 この綱引きの起源について韓国側の説明では、韓国人女性による織布製造過程で見られる「撚る」という動作がこの綱引きへと次第に発展していった、ということだ。

 中国ネットユーザーはこの出来事に対して、中国の「闘鶏」、「闘蟋蟀(コオロギ)」、「麻雀」、「蹴毽子」、また「広場での中高年女性たちによる集団ダンス」も無形文化遺産に申請すべきだ、とコメントしている。冗談交じりのコメントだが、このコメントは無形文化遺産の意義を改めて考えさせるものとなる。無形文化遺産は「文化の多様性及び人類の創造性」の尊重へと人類に働きかける力を持っていることが登録されるための条件の1つだ。

 従って他国や自国の無形文化遺産について知ることは世界が協調して発展してゆくための優れた方法であることがわかる。実は中国の無形文化遺産の数は世界一で、現時点で38件登録されている。2位は日本の22件、3位は韓国の18件と続く。しかしこうした「数」は重要ではない。大切なのは各国が文化の多様性や人類の創造性を尊重しつつ真の協調発展を遂げるための貴重な手段として無形文化遺産に注目することと言えよう。(編集担当:村山健二)