目だけじゃない!睡眠不足の元凶「ブルーライト」が脳に与える影響 | ニコニコニュース

美レンジャー

ブーライトという言葉はTVや雑誌などでよく取り上げられているので、目に悪影響があることはご存じでしょう。しかし、睡眠に影響があることはあまり知られていないようです。

そこで、睡眠への影響や、ブルーライトの具体的対策を、ナイトケアアドバイザーでもある筆者がご紹介します。

■光は昼間不足して、夜間に過剰となる現代社会

まず、ブルーライトのお話の前に光の影響についてご紹介します。

私たちは、科学技術の進歩により24時間いつでも明るい場所で活動することができたり、交通機関の普及や仕事スタイルの変化で昼前に外で歩く機会が格段に減少しています。そのため、昼間は光が不足し、夜間は光が過剰な社会で生活しているといえます。

昼の光の減少は、睡眠に関わるメラトニンの材料であるセロトニンというホルモンの生成を妨げます。また、夜の光の曝露増加は体内時計を後退させる強い作用があります。

そのため、どんどん就寝時間が短くなり、睡眠時間自体が短縮し、質の高い睡眠とはいえない状況が作られているのです。『美レンジャー』の過去記事「取り入れると“驚くほど自然に眠くなる”!睡眠のプロが教える9つの方法」では、寝る前の照明の明るさについて紹介しています。参考にしてみてください。

■ブルーライトは睡眠に悪影響

ブルーライトとは、短い波長成分が相対的に多い光源のことで、昼光色の蛍光ランプやLED(スマートフォンやTV、PCで使用されている)などに多く含まれています。私たちは、白熱電球に比べて青色波長成分を多く含む光源を持つブルーライトを夜間に利用することが増えており、健康的な睡眠を妨げる問題点になっています。

これらを室内照明やディスプレイのバックライトに用いて、就寝前の時間を過ごすと、一般的な家庭の室内照明レベルの光の強さに至らなくても、睡眠状態の不安定化につながる実験データもあります。

また、光は目の網膜の光受容器で電気信号に変換され、視神経を通って脳に伝達されます。そして、脳の覚醒作用を促し、交感神経を刺激させ、体内時計が後退するのです。そのため、就寝時間が遅くなり、メラトニンの分泌抑制を及ぼします。

こうした作用は、青色付近の短い波長成分の方が強く感じられるようになっているため、ブルーライトの光は、その他の光より覚醒作用が強いといえます。

■ブルーライト対策をしていない人は約半数

『美レンジャー』が20~40代女性500人にアンケート調査をしたところ、48%の方がブルーライトに関して対策をしなければいけないと思っている一方で、実際には何もしていないという結果が得られました。(協力:クリエイティブジャパン『ボイスノートマガジン』)。頭では分かっていても行動に移せていない方が多いようですね。

また、そもそも、「ブルーライトが人体に影響があると知らなかった」という方は34%もいました。

■寝る前に対策をしている人

また上記のアンケート結果によると、ブルーライトの対策をしている方はとても少なく、「1日中対策」(8%)「仕事中のみ対策」(7%)「寝る前のみ対策」(4%)という結果でした。

また「寝る前の1時間、スマホや携帯、TV、PCなどの電子機器は見ていますか?」という問いに対しては、81%の方が見ていると回答しており、そのうち64%の方が寝起き及び寝入りに課題を抱えているとの結果がでました。

スマートフォンなどの電子機器は、ブルーライトを多く含んでいるので、睡眠へ影響が及ぶことは明らかです。「知れば“寝る前スマホ”やめたくなる!厚労省も注意喚起…悪影響3つ」にもありますが、使用は控えたほうが賢明です。

■ブルーライトをカットする具体的な対策

では、どのようにしてブルーライトの対策、カットを行ったらよいのでしょうか。一番は、寝る2時間前からは、スマートフォン、PCなどの電子機器の利用をしないということです。

それでも、仕事などで見る必要のある場合は、ブルーライトカットの眼鏡の利用、PCやスマートフォンにブルーライトカットの液晶シートを貼る、モニターの照度を落とすなど工夫を行いましょう。また無料のアプリ等で、ブルーの色がカットされた保護ブラウザをダウンロードして利用してみるのもよいでしょう。

また部屋の照明は、色温度を低く切り替えられる照明に交換したり、間接照明やキャンドルの光を利用したりするのもよいです。ムーディーな空間になり、よりリラックスして寝る前を過ごすことができるため、入眠もスムーズになるでしょう。

日本では、5人に1人が睡眠に課題を抱えていると言われています。あなたのその原因は、もしかしたらブルーライトかもしれません。心当たりのある方は、ぜひ今夜から実践してみてくださいね。