意外な研究結果! ちびっ子が「金魚」を好きなのはナゼ? | ニコニコニュース

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子どものころに一度は体験する動物の「飼育」。縁日の「金魚すくい」をきっかけに、家で育てたら巨大になった!なんて経験したひとも少なくないでしょう。

ちびっ子はどんな魚が好きか? を調べた研究では、おとなにも人気の熱帯魚よりも「金魚」が人気で、時間が経っても飽きずに興味を示すことがわかりました。ポイントは「指差し」で、自分の好きな金魚を追いかけるように観察するため、大きさや柄の個体差が大きい金魚はうってつけの存在。たとえ高額でも、見分けが付かない熱帯魚はちびっ子のアイドルにはなれないのです。

■根強い人気の「金魚」

幼児期の動物飼育は文部科学省も推奨する教育の一部で、昆虫や小動物とのふれあいを通じて相手を思いやる心を育てるといわれます。小学校ではウサギやハムスターが定番ですが、それ以下の年齢では恐怖を感じる子も多いため、水槽のガラスを隔てた「魚」は最適の存在です。

ちびっ子はどんな魚が好きなのでしょうか? 幼稚園児を対象に調査した結果では、おとなにも人気の熱帯魚を差し置いて「金魚」が好きなことがわかりました。縁日でも見かける、ごく一般的な金魚のほうが人気を博したのです。

幼稚園に水槽を設置し、期間を分けて「熱帯魚」「金魚」を放ち、およそ200人の園児のリアクションを調べたところ、導入時の関心率はどちらも22~23%と互角で、4人に1人は関心を示すことがわかりました。

しかし、2週間後に同様の調査をおこなったところ、およその関心率は、

 ・熱帯魚 … 8%

 ・金魚 … 12%

と、50%もの差が生まれました。見慣れない熱帯魚よりも、ごくフツウの金魚のほうがちびっ子の関心を集めたのです。

■「個体差」が人気の秘訣?

ちびっ子は、なぜ金魚のほうが好きだったのでしょうか? おとななら珍しさや値段!も考慮するのに対し、ちびっ子はじつに素直な理由で、金魚のほうが個体差が大きく、「識別しやすい」からだったのです。

魚を見ているちびっ子には「水槽に触れる」「魚を指でさす」などの行動が見られ、泳ぐ魚を指で追跡するように「指追い」する子が多くいます。熱帯魚を導入した直後は1%ほど起きたのに対し、2ヶ月後は0.3%ほどに激減…対する金魚は導入時に3%弱、2ヶ月経っても1.5%強と圧倒的に多く、金魚に対して高い関心を示していることがわかったのです。

なぜ金魚に人気が集まったのでしょうか? 熱帯魚に関心がなかったわけではなく、個体差の激しい金魚のほうが「識別」しやすかったからと考えられています。

ちびっ子にとって魚は興味の対象であることは間違いありませんが、どれでも好きになるわけではなく、自分好みの魚を見つけて観察します。指追いはまさにその証拠で、特定の金魚に絞り込んで、泳いでいる、エサを食べているなどの様子を追跡調査するのですが、これにはほかの魚と「識別」できることが重要で、熱帯魚よりも個体差が出やすい金魚に軍配があがったのです。

興味から始まる「指追い」も、やがては愛着に変わるのでしょうから、子どもができたらひと目でわかる「変わったペット」と暮らすのが良いかもしれません。

■まとめ

 ・ちびっ子に熱帯魚と金魚を見せたところ、金魚の人気が高かった

 ・「指追い」しながら観察する姿が、金魚のほうに多くみられた

 ・柄や大きさに差が出る金魚は、「個体」を識別しやすいのが理由

(関口 寿/ガリレオワークス)