中学生の「過労死」、中国で問題化 宿題大量、睡眠削り「寝たい…」 | ニコニコニュース

立って朗読をする中国の児童=2013年12月16日、ロイター
withnews(ウィズニュース)

 中国で最近、中学生の「過労死」が話題になっています。勉強時間は3時間以上、睡眠時間は7時間以下。調査会社が発表した数字からは、宿題と睡眠不足の中、受験勉強に励む子どもたちの姿が見えてきます。中国では11月に中学生が相次ぎ亡くなった事件が「過労死」として注目を集めるなど、過剰なストレスとプレッシャーが問題化しています。

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一発勝負の大学入試
 11月24日、『全国中小学生学習圧力調査』(勉強の負担調査)が中国の教育関係のアプリ会社「阿凡提」により公表され、多くのマスメディアが引用して報道しました。

 中国は人口が多く、競争が激しいため、保護者は「スタートラインでは負けてはいけない」と勉強に力を入れます。大学入試は全国試験の一発勝負なので、小学校から多くの宿題が課せられます。

 「阿凡提」の調査は、中国全国の31の省・市・自治区をカバーし、2000万人のユーザーが蓄積した勉強関連のビッグデータに基づいています。調査結果によると、中国の小中学生が平均で毎日宿題に費やす時間は3時間に達し、睡眠時間は普遍的に7時間未満になっています。宿題の時間は世界平均の2倍(日本の4倍)で、睡眠時間は世界平均より1.5時間も短くなっています。


親が代わりに宿題
 宿題の特徴はその量です。「量が多く、完成するのが無理」と答えたのは45.3%にのぼり、「完成できるが、量が多い」と答えたのは30.2%でした。7割近くの人が、宿題が「難しい」と回答しました。

 調査からは、毎日平均で3時間宿題をしても、26%を超える子どもたちが宿題を完成できない実態が浮かび上がりました。膨大な宿題に対し、4割の親が「(宿題を終えるの)諦める」と答え、3割は親が代わりに宿題をしていることもわかりました。

 「阿凡提」は、中国の子どもが18歳までに、宿題のために費やす時間が平均1万時間に達することをあげ、4032回のコンサート、7000回のサッカー試合に相当すると指摘。「これで中国チームのサッカー成績が悪いのも納得できる」とまとめました。


「いまでも宿題をやっている私。寝たい…」
 「阿凡提」の調査に対し、中国のネット上ユーザーたちも反応しています。

「話すと涙がいっぱいだ」


「私たちもこのように大きくなってきたのだ」
「生まれてこなかったほう良い」
「大学に入ったら少しよくなるが、小中学生はやっぱりストレス凄いね」
「高校生はもっと苦しい」
「いまでも宿題をやっている私。寝たい…」(深夜00:28)

 新華社通信のウェブ版新華網は宿題に対して8割の親が困っていると答えたことに注目。「8割の親が泣き崩れた」などの記事を配信。他のメディアも、次々と取り上げました。

 中国では11月に夜遅くまで宿題した15歳の中学生が学校の教室で亡くなってしまった事件が注目を集めました。同じ11月、13歳の少女が成績が悪いため実の母親に殴り殺された事件も発生していました。さらに、4月には11歳の小学生が宿題が多く、ブログに「勉強に疲れた。学校に疲れた。生きることに疲れた」とメッセージを書き残し、自殺した事件もありました。過熱する受験戦争に対して、中国国内でも関心が高まっているようです。