今始めれば日本代表に!?謎の競技「ビアポン」とは | ニコニコニュース

今始めれば日本代表に!?謎の競技「ビアポン」とは
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世の中は忘年会シーズン真っ盛り!自他共に認める“スーパービールクズ”である筆者は、プレーしながらビールがたくさん飲めちゃう(と記憶している)「ビアポン」のことをふと思い出し、ネットを見てみると…

日本ビアポンチャンピオンシップ2015

なる大会がちょうど開かれるとのこと!「これは行くしかない」ということで潜入してまいりました。

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会場は四ツ谷にあるアイリッシュパブ「THE MORRIGAN’S(モリガンズ)」。階段を上がって、鮮やかなブルーの扉を開けると…専用のビアポンテーブルとゲームに使うカップがすでにスタンバイ!!

・ビアポンテーブル、カップの画像あり(元記事)

ここで繰り広げられるビアポン、基本的なルールは


●2人1組で1チーム。テーブルを挟んで2チームが対戦
●お互いが敵チーム側に並べた10個のカップにピンポン玉を投げ入れる
●1人1投ずつ投げ、先にすべてのカップにボールを入れたチームの勝ち
というシンプルさ。

元々、アメリカの大学生が酒場で始めた遊びが「ビアポン」のルーツ。最大の特徴は「ビア」の名のとおり、カップの中にビールが…


み、水―――――!
ビールが入ってない!!!

筆者がビアポンを知ったのは約5年前。青春をムダに(失礼!)ビアポンへかけまくるアメリカの若者たちを追った「LAST CUP」というドキュメンタリー映画だったのですが、確かカップにビールが入っていて、ボールを入れられたチームがビールを飲むという、ビールクズには願ったりかなったりなルールだったはず…

教えて、詳しい人~!今大会を主催する社団法人日本ビアポン協会の井口さんに聞いてみました。


「数年前から変わったんですよ。元々イッキ飲みを助長したいわけではなくって、ゲームを通して人との交流を楽しもうというのが狙いなので。
世界的に“競技化”の流れもあってルールが整備されて、今はカップの転倒とボールの跳ね返り防止を目的に、ビールの代わりに水を入れてプレーしています」

なるほど。名前に「ビア」が残っているけどカップの中身は水になったんですね。かえってビールやお酒が飲めない人や子供たちも一緒に遊べて良いかも!ちなみに、ビールでもジュースでも、自分の好きなものを飲みながらプレーするのは自由だそうです。

お話を聞いているうちに参加者が全国から、この日はアメリカやスイス、香港からも大集合!試合前に談笑したり、練習でカップにボールを投げ入れる「ポン!」「スポン!」という音が響いて会場中がだいぶ賑やかに。

・会場内の様子の画像あり(元記事)

そしていよいよ大会スタート!


まずは、試合がどんな感じで進むのか動画でご紹介。シングルスの対戦なので1人で2投ずつ投げ合います。ボールが入ったカップはどんどん脇に移動させ、10個のカップすべてにボールを入れていきます。

・試合の動画あり(元記事)


白いシャツを着たモリガンズのスタッフにして現役東大生の山中さんは、独特の「ルーティン」でリズム作り。 対する黒いシャツの中野さん(実は日本ビアポン協会の理事長!)はサクッと狙って流れるような投球フォーム。みなさん投げ方がまったく違っていて、それぞれ個性が出ていて面白い!

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放物線を描いてカップに吸い込まれるボール。見ているだけで気持ちいい光景ですが、筆者も試しにやらせてもらうことに。とりあえず見よう見まねで…


ええぃぃっっ!!!
まるっきり異次元の方向に飛び去るボール!テーブルは長さ約2.4m×幅60cmもあるというのに……バウンドもかすりもしない(涙)そこで理事長の中野さんに、基本の投げ方3種類のお手本を見せてもらうことにしました。

・基本的な3種類の投げ方の動画あり(元記事)

1種類目の「ノーマル」は最もポピュラーな投げ方。2種類目の「バウンド」は、ノーマルより難易度が低いものの、一度バウンドした後のボールは「敵が手ではじいてもOK」というルールが存在するために上手く使いたいところ。3種類目の「ストレート」はまるで“レーザービーム”といった雰囲気。ですが、どんな投げ方をするかは個々人の好みや入りやすさで決めてよいそうです。

ちなみにボールの持ち方は、指2本だけで持つのが投球時にねじれず上手く飛びやすいもよう。腕の振り方は、ヒジを固定してそこから先だけを振り下ろす方法が最初はいいみたいです。「コレってダーツに似ていますよね?」と聞いたところ、やはり「ダーツが上手な人はビアポンの上達も早い」傾向があるのだとか。

・ボールの持ち方、腕の振り方の参考画像あり(元記事)

かつて“世界一おバカなスポーツ”というキャッチフレーズが付けられていたビアポンも、筆者が知らないうちに大学生の「悪ふざけ感」が薄れて、すっかり競技へと進化していたんですね…(遠い目)。

競技の魅力としては、技術が上達することがやはり一番の醍醐味なのかな?と思いきや、ビアポンは「実はメンタル競技」と皆さん口を揃えます。

特にカップがあと1個など、まさに「LAST CUP」になっている時は、相手チームに決められても、こちらが決めればまだ次のターンに勝負を持ち込せます。その時広がる「外したら負けてしまう」というプレッシャーをどう抑えて平常心でプレーできるか?そこがカギなのだそう。


シングルス決勝の最後のカップをめぐる攻防にもそれは表れています。

・シングルス決勝戦の動画(元記事)

2人1チームの、スタンダードトーナメントの決勝戦でも、最後のカップをどちらが「外さずにいけるか」という緊迫した瞬間が訪れます。

・スタンダード(チーム戦)の決勝戦動画(元記事)

ここでは1チームの持ち時間を30秒に設定しているため、「時間内に投げる」というプレッシャーも追加。そんな心理戦も制し、見事2015年の「ビアポン日本一」に輝いたのは「チーム サトースト」のお2人。

・2015年ビアポン日本一のお二人(元記事)


日本ビアポン協会のメンバーでスポンサーが付くほどの腕前というケネフさん(左)と中野さん(右)。優勝カップがビアポンのカップ型というのもシャレていますね。

今年は日程の都合でかないませんが、過去、優勝チームには年1回ラスベガスで熱狂的に行われているビアポン世界大会に「日本代表として派遣」という優勝賞品が贈られたことも!!

・準優勝のお二人(元記事)


惜しくも準優勝だったのが山崎さん(左)と山中さん(右)のチーム。
驚いたことに山中さんは、今年の6月からモリガンズでアルバイトを始め、ビアポンを練習し始めてまだ2か月くらいだそうです!

ビアポン暦2か月で、シングルスでも準優勝に輝く実力。これはスゴイ!


ご本人いわく「相手の体調や調子が悪いときにこちらが調子が良かったり、あとはとにかく“運”も大きい競技だと思います」とのこと。

井口さんも「頑張って練習すれば、やっている人の数がまだまだ少ないので日本一を狙えますよ。これまでのチャンピオン以外の強い新人さんを、新たな日本代表としてラスベガスに送り込みたいという気持ちもあります」。

なんて夢のある話!でも、カップに1投も入らなかった筆者なんかはダメですよね…

「いえ、女性は特にビアポン人口が極少なので、


本当にスグにでも“日本一”になれますよ!」

うわーーー!みなさん、ビアポンを始めるなら今が狙い目ですよ!!!


筆者も参加賞としてカップとボールのセットをいただいたので、今日から練習に励もうと思います!

■四ツ谷「THE MORRIGAN’S」


東京都千代田区麹町6-1-18 麹町共栄ビル2F
TEL:03-3512-2597
※土曜日の夜にビアポン練習会を開催中!詳しくはお店にお問い合わせを

■社団法人日本ビアポン協会


※ビアポンの詳しいルールや大会の日程などはこちらへお問い合わせください

◎写真・動画撮影:satomin


(スージー小江戸)