マイナンバー制度導入の関連事業受注をめぐる汚職事件で、収賄罪で起訴された厚生労働省室長補佐と同じ部署に所属していた別の職員が、同じ業者から現金を受け取った疑いがあることが19日、関係者の話で分かった。厚労省は事実関係の確認を進めている。

 関係者によると、新たに現金授受の疑いが判明したのは年金局の男性職員。収賄罪で起訴された室長補佐の中安一幸被告(46)と同じ部署に所属していた当時、同被告に資金提供した東京都千代田区のIT関連会社側から現金を受け取ったとされる。

 警視庁捜査2課は10月、IT関連会社に便宜を図った見返りに現金100万円を受け取ったとして、収賄容疑で中安被告を逮捕。捜査の過程で、男性職員の現金授受が浮上した。

 男性職員が受け取った現金は総額約200万円になるが、返金した可能性もあるという。警視庁は業者側に便宜を図った事実がないかなどを慎重に調べている。