高橋陽一氏が描くバルセロナの5選手に海外ファン歓喜も、日本の反応は……「誰が誰だよ」 | ニコニコニュース

FC BarcelonaのTwitter(@FCBarcelona)より。
おたぽる

 今月10日~20日、日本で開催された「FIFA クラブワールドカップ ジャパン 2015」。20日に決勝戦が行われ、大方の予想どおり、FCバルセロナ(以下、バルサ/スペイン)の優勝で終えた。試合やプレイ内容についての言及はスポーツ誌などにお任せするとして、こちらでは決勝前日、バルサ公式Twitter(@FCBarcelona)がアップしたイラストが、世界中のサッカーマンガファンを喜ばせたという話題をお届けしよう。

“ボールは友だち”の合言葉でお馴染みの、不朽のサッカーマンガ『キャプテン翼』。1981年より「週刊少年ジャンプ」で連載を開始した同作は、主人公・大空翼を中心に、小学生時代(南葛SC)→南葛中→中学生全国大会まで描かれた後、その全国大会の優秀選手を集めた全日本ジュニアユースがヨーロッパに遠征する「ジュニアユース編」→(短期連載:最強の敵、オランダユースと戦う『ワールドユース特別編 最強の敵!オランダユース』)と描かれ、ここでひと段落。

 その後、イタリアに渡った初登場キャラクター・葵新伍の活躍を描いた「太陽王子 葵の章」から入り、高校を卒業した日向小次郎や岬太郎ら黄金世代がワールドユース優勝を目指す『ワールドユース編』→バルサに移籍した翼、ユヴェントスFC(イタリア)でうだつが上がらない日向など、主要人物それぞれの活躍を描く『ROAD TO 2002』→日本国内に残る黄金世代がオリンピック出場を目指す『GOLDEN-23』→出場機会を得るため、セリエC・ACレッジャーナ1919に移籍した日向の物語『海外激闘編 IN CALCIO 日いづる国のジョカトーレ』→翼が所属するバルサがリーグ優勝を目指す『海外激闘編 EN LA LIGA』→そして、バルサで優勝を果たした翼がキャプテンとなり、オリンピック優勝を目指す『ライジングサン』が現在も連載中となる。

 連載開始より、すでに35年近く経つが、いまだ人気が衰えない秘訣は、何と言っても必殺シュート(得意技)。翼のオーバーヘッドシュートから始まり、貧乏なストライカー・日向のタイガーショット(雷獣シュートにまで昇華)や、双子・立花兄弟のスカイラブハリケーン(次藤洋との連携もあり)、ゴールキーパー・若島津健の正拳ディフェンスなどなど、馬鹿馬鹿しくも思えるが、「いつ飛び出すのか」と読み手をワクワクさせる、『キャプテン翼』必須の要素だ。

 女子には理解しがたいかもしれない『キャプテン翼』の魅力は、日本はおろか世界中に多大な影響を与えている。アレッサンドロ・デル・ピエロやフェルナンド・トーレス、ネイマールにジネディーヌ・ジダン……名だたる選手が、同作をきっかけにサッカーに目覚めたのだ。そんな『キャプテン翼』を生み出し、今も発表し続けるのが高橋陽一氏。

 今月19日、CAリーベル・プレート(アルゼンチン)との決勝戦を翌日に控えるバルサが、公式Twitterで高橋氏が描いたバルサの5選手(左からネイマール、イニエスタ、メッシ、ルイス・スアレス、ピケ)のイラストをアップ。このツイートには、世界中のバルサファンや『キャプテン翼』ファンが、「卓越している!」「この絵が好き。すごい」「いかす!」などの喜びの声を上げた。また、バルサ優勝後には「素晴らしき優勝!」「優勝おめでとう」といったリプライも。

 ただ一方、日本では「そっくり」「特徴を捉えてる」という声はごく一部で、大半は「だ、誰やー?」「全員日本人やんけ」「番号ないとわからんわ」「一瞬で判断できたのはイニエスタとピケだけやわ」など、誰が誰だかわからないという声ばかり。さらに、高橋絵の恒例とも言える「頭身のインフレ」「安定の等身」「何頭身あるんだよ」「相変わらず頭が恐ろしく小さいな」「一番後ろにいるはずのピケ君の足長すぎ」という声も多く、中には「こりゃ地元の人には決して見せられねえだろ」「この人は上手くなることとかを放棄してるよね、大昔に」という人さえ見られた。

 そうは言っても、世界中にクレ(バルサのファン)を有する、クラブの頂点に立つバルサが、公式でアップするほどの高橋氏のイラスト。これを見て、「いつか僕もYoichi Takahashiに描いてもらえるような選手に!」と思うサッカー小僧もいるはずだ。高橋氏には、いつまでも『キャプテン翼』で夢を与え続けてほしい。
(雑誌やマンガ作品に関して、言及のない限り、版元は集英社)