原子力・軍事協力強化で一致=「特権・戦略関係」双方に思惑―印ロ | ニコニコニュース

 【モスクワ時事】ロシアのプーチン大統領は24日、モスクワを訪問したインドのモディ首相と会談し、原子力を含むエネルギーや軍事技術をめぐる協力強化で一致した。会談冒頭、プーチン大統領は「両国は特権的かつ戦略的パートナーシップを発展させている」とモディ首相を歓迎。これに「この会談が関係発展の新たな契機となる」とモディ首相も笑顔で応じた。

 両首脳は合意文書に署名後、共同記者発表に臨み、プーチン大統領はシリア情勢などを念頭に「国際問題で両国のアプローチは合致している」と強調した。今後20年間でインド国内に原子炉10基以上を建設する計画が取り沙汰されてきており、南部タミルナド州のクダンクラム原発の原子炉増設で合意した。ロシア側の説明によると、インドへの液化天然ガス(LNG)供給についても首脳会談で協議した。

 インドは新興5カ国(BRICS)メンバーで、パキスタンと共に上海協力機構(SCO)の新規加盟手続きも始まった。ウクライナ危機で欧米から制裁を科されたロシアは、インドなど非欧米諸国との結束を強化し、孤立脱却につなげたい考えだ。一方、モディ首相にも、冷戦時代からのロシアとの特別な関係を利用し、台頭する中国をけん制したい思惑がある。

 モディ首相の訪ロは、7月の中部ウファでのBRICSおよびSCO首脳会議以来。今回は23日にモスクワに到着し、プーチン大統領との非公式夕食会に臨んだ。25日にはアフガニスタンを訪問する。