防衛省は26日、千葉県・房総半島付近の海域で、中国海軍の軍艦の航行を確認したと発表した。領海侵入はなかったが、同海域を往復した後、三宅島と八丈島の間を航行した。同省によると、房総半島付近海域での中国海軍艦船の往復を確認したのは初めて。同省は「特異な動き」として注視している。

 同省によると、23日午後3時半ごろ、房総半島南東の領海外側の接続水域のさらに外側の海域で、中国海軍のドンディアオ級情報収集艦1隻が北東に向け航行しているのを、海上自衛隊のP3C哨戒機が確認。26日午前11時ごろにかけ、同じ海域を北東と南西に向かって数回往復した後、三宅島と八丈島の間の接続水域を南西方向に航行したという。

 海自の哨戒機や多用途支援艦が警戒監視を続けた。航行目的は不明だが、情報収集艦は通信傍受などを行うことができ、政府は外交ルートを通じて中国側に「関心を持っている」旨伝えた。