【C89】NHK再び冬コミ出展 『忍たま』人気に「楽しむ気持ちは千差万別」 | ニコニコニュース

「コミックマーケット89」NHKブース
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12月29日(火)から、世界最大の同人即売会「コミックマーケット89」(C89)が開催中です。2015年冬のC87に続き、今回のC89でも企業ブースにNHKが出展しています。

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NHKといえば、今年はアニメ界隈を賑わせてくれたと言えるでしょう。中でも『ラブライブ!』に関するものでは、2016年1月2日(土)より第1期シリーズ全13話の再放送や、作品から生まれた9人組声優アイドルユニット「μ's」の『紅白歌合戦』出場といったトピックを届けてくれました。

これまで以上にアニメに理解を示しているようにも感じるNHKは、コミケ企業ブースへの出展にどのような意義を見出しているのでしょうか。実際にブースを訪れ、広報局の方にお話をうかがいました。

文:松本塩梅

NHKブースは今年も「薄い本」の配布アリ

ブースでは番組ごとの展示、アンケート回答でもらえる「薄い本」と呼ぶ冊子の配布、『忍たま乱太郎』や『カードキャプターさくら』をはじめとした番組オリジナルグッズの販売などが行われています。

前回もユニークなアンケートが話題になっていましたが、今回もおよそNHKの普段のイメージとはかけ離れたツンデレアンケートなどが好意的に受け取られています。

答えると薄い本がもらえるNHKブースのアンケートです #C89 pic.twitter.com/HcUxl1dh8q

— こんそめ (@consomme72) 2015, 12月 29

展示では10代向け情報番組『Rの法則』、『NHKニュースウオッチ9』に登場する気象キャラクター「春ちゃん」の描きおろしイラストなどが並びます。春ちゃんのイラストは、声優を務める豊崎愛生さんが描いています。

2016年1月10日(日)より放送されるNHK大河ドラマ『真田丸』も展開しており、主人公・真田信繁(幸村)扮するコスプレイヤーさんの姿も。

また、薄い本の表紙は、前回に引き続き人気イラストレーターの西又葵さんが制作。「NHKのテレビチャンネル擬人化」がお題だったそうで、「個人的にも凄く楽しく描かせて頂きました!」とコメントを寄せています。裏表紙は「申と女の子」をテーマに6U☆さんが手がけました。

NHKには熱い思いを抱くオタクもいっぱいいる!

薄い本の冒頭には「本気と書いてマジ頑張りました(小並感」との言葉もあるように、展示や配布物にもNHKの気合いを感じられる展示。広報局の方へのインタビューから見えてきたのは、NHKの「コンテンツ愛」でした。

──今回の出展は、NHK社内でもポップカルチャー好きな人が増えている証拠なのでしょうか?

NHK広報さん 増えているというよりは、実はもともと好きな人がたくさんいたんです。今回はNHKが持つたくさんの種類の番組から、コミケでのニーズがあるようなものを展開しています。NHKをもっと年齢の若い方々に観てもらいたい、魅力的なものをお届けしたいという気持ちがあります。

──新しく入社している若い世代からコミケ出展などへの意欲や変化が起こっているのですか?

NHK広報さん 若い世代だけとも限りません。たとえば、現在50代の局員たちの中には、『サンダーバード』をイギリスから買い付け、日本で初めての放送を実現させた者もいます。

40代前後のメンバーは『ふしぎの海のナディア』や『海のトリトン』などの名作と呼べるものの再来を! とも考えていたりします。そういった熱意を持つメンバーたちが、仕事の裁量が大きくなると共に、「学生の頃に抱いた、コンテンツへの熱き想いを生かしたい」と動いていることもあるんです。

みんな放送が好きでこの業界にいて、コンテンツにもそれぞれ思い入れがあります。「良いものを多く伝えたい、良いものを多くつくりたい」という気持ちは年代を問わずに変わりません。

──そうすると、実はNHK社員にいわゆる「オタク」は一定層いるのですか?

NHK広報さん いっぱい、いますよ!

──薄い本もコンテンツへの熱意の表れといえるのでしょうか?

NHK広報さん 薄い本の各ページは、それぞれの番組担当者が制作を手がけています。担当番組の良さを伝えたいという気持ちを込めて、内容も自分たちで企画しているんです。『忍たま乱太郎』のページなら、声優さんへのインタビューも自主的に行ったものです。本のデザインとして統一感は足りないかもしれないですが、番組への愛は詰まっています!

──ちなみに『忍たま乱太郎』については、11時現在ですでに売り切れのグッズも出ていますね。実はいわゆる腐女子たちからの「忍たま」人気が非常にアツいのですが、ご存知でしょうか? どのように受け止めていらっしゃいますか?

NHK広報さん はい、見聞きしております。私たちとしては「作品を好きな人はみんな神様」で、作品を楽しむ気持ちは千差万別でいいと思っています。腐女子の方でいえば、登場人物たちの姿にロマンスや何かしら異なる気持ちを感じていただいたということでしから、なんにせよコンテンツで心を動かしてくれたのなら幸せです。