ボコ・ハラムへ攻勢=少女使った自爆テロ続く―ナイジェリア | ニコニコニュース

 【ロンドン時事】ナイジェリアのブハリ大統領が、北東部を拠点とするイスラム過激派「ボコ・ハラム」への攻勢を強めている。ただ、大統領が年内の掃討実現を掲げる中でも、少女を「人間爆弾」に仕立てた自爆テロなどで民間人を狙う攻撃は続いており、治安の不安を抱えたまま新年を迎えることになる。

 軍出身のブハリ大統領は5月の就任以来、軍の立て直しに努めてきた。軍トップを交代させ、武器調達で巨額の「架空契約」があったとして、ジョナサン前政権でボコ・ハラム対策の中心だった前国家安全保障顧問らを逮捕した。

 こうした改革にも後押しされ、ナイジェリア軍は攻勢に転じた。国連のバティリ中部アフリカ事務総長特別代表は12月、安全保障理事会で、ナイジェリアと周辺諸国の軍事作戦強化で「ボコ・ハラムは弱体化した」と報告した。

 ブハリ大統領も24日放映された英BBCとのインタビューで「ボコ・ハラムとの戦争に勝った」と主張。組織的な戦闘集団としての活動を抑え込んだとの認識を示した。

 しかし、ナイジェリアからの報道によると、大統領の「勝利宣言」直後の25日、北東部ボルノ州の村落がボコ・ハラムに襲撃され、少なくとも十数人が死亡した。バティリ代表は、ボコ・ハラムが「(警備が手薄で大勢の人が集まる)ソフトターゲットへの攻撃を開始した」と懸念を表明している。

 ナイジェリア北東部と周辺諸国で最近相次ぐボコ・ハラムによるとみられる自爆テロでは、少女が「実行犯」になるケースが目立つ。AFP通信によると、子供と武力紛争に関する国連特使を務めるゼルーギ事務総長特別代表は、11、12歳前後の少女が自爆するケースも多いと指摘。子供を「人間爆弾」として利用することに憤りをあらわにした。