31日に共同体発足=6億人超の巨大経済圏―ASEAN

 【ジャカルタ時事】東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟10カ国は31日、経済共同体(AEC)などを柱とするASEAN共同体を発足させる。人口約6億2000万人と、欧州連合(EU)を上回る巨大経済圏は、域内単一の市場や生産基地を目指す。結成から約半世紀を迎えるASEANは大きな節目を迎えた。

 ASEANの経済規模は約2兆5000億ドル(約300兆円)と、日本の半分程度だが、加盟国の国内総生産(GDP)は2007年から14年に倍増し、高成長が続いている。

 これまでの自由化の取り組みで大きく進んでいるのが「モノの移動」だ。先行加盟6カ国の域内関税は既に99%でゼロとなり、後発4カ国も18年までに原則撤廃される。

 流通網の整備も進む。インドシナ半島を横断する幹線道路「南部経済回廊」は今年4月、ベトナム、カンボジア、タイの主要都市を結び開通し、将来はミャンマーまで延伸される。ベトナム、ラオス、タイ、ミャンマーを結ぶ「東西経済回廊」も建設中で、物流の大動脈形成により国境を越えた取引が加速する見込みだ。