angela、“ここにいる”喜びを高らかに叫んだ10回目の「大サーカス」 | ニコニコニュース

angela「ミュージック・ワンダー★大サーカス2015 ~10th Anniversary~」の様子。(写真提供:STARCHILD) ※ライブ写真はいずれも12月28日公演のものとなります。
音楽ナタリー

angelaがライブ「ミュージック・ワンダー★大サーカス2015 ~10th Anniversary~」を12月28日と29日に東京・東京国際フォーラム ホールCで開催した。本稿では29日公演の模様をレポートする。

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「ミュージック・ワンダー★大サーカス」はangelaが10年前から毎年末に開催している1年間の総決算的ライブ。開場時、満員の客席では例年通り、3人のクラウンがジャグリングやマジックを披露して、angelaファン、通称“ぢぇらっ子”たちの拍手を集めていた。

そのクラウンが緞帳前の巨大なスイッチのレバーをオフからオンに切り替えたところからライブはスタート。ゆっくりと持ち上がる緞帳の奥からドラマー、ベーシスト、キーボーディストとともに姿を現したatsuko(Vo)とKATSU(G, Per)は、大歓声が巻き起こる客席を「それがぢぇらっ子の本気なわけ?」と挑発しつつ、12月まで放送されていたアニメ「蒼穹のファフナー EXODUS」のオープニングテーマ「イグジスト」を投下した。

直後「こんばんはfripSideです!」「いやアイドルマスター シンデレラガールズです!」と自己紹介したatsukoが、前日の「大サーカス」を振り返り「『MCが長い』と怒られたので、今日はもっと長くしゃべりたいと思います」とぢぇらっ子を笑わせると、2人はシーケンスを最小限に抑えたライブ感の強いプレイと、コミカルなトークがつづら折りになったステージを繰り広げる。ラウドロックテイストの「ANGEL」や、サックス、トロンボーン、2本のトランペットからなる4人のブラス隊がバンドに加わり、6人の女性ダンサーとともにatsukoが踊るスイングナンバー「in your arms」をパフォーマンスしたのち、「2階席!」「3階席!」と各フロアを煽りながら、1階席はあえてスルー。眼前のぢぇらっ子たちから怒号のようなブーイングを受けると、彼らを「うるさいな!」と一蹴してみせる。またKATSUが応援団のようにマレットを手にバスドラを打ち鳴らす「騎士行進曲」ではそのハードなビートで客席の大合唱を誘い、「cheers!」ではクラウンたちをステージに呼び込み、ともにイリュージョンを披露。万雷の拍手を集めてみせ、さらに「蒼穹のファフナー」のアニメ映像がステージ奥の巨大スクリーンに投影される中、ピアノ1本を背にatsukoが歌い出すバラード「愛すること」で感動的なムードを現出したかと思いきや、「シドニア」の曲中のバンドメンバー紹介でぢぇらっ子たちと「atsukoに?」「おまかせー!」のコール&レスポンスを繰り広げていた。

1曲目に「イグジスト」をセレクトし、アニメ映像とともに「愛すること」を歌ったことに触れたatsukoとKATSUは、この日のセットリストを「蒼穹のファフナー」シリーズの関連楽曲を中心に構成していたことを明かすと、7曲に及ぶファフナーメドレーをドロップ。アップリフティングな「蒼穹」でぢぇらっ子たちと「ハイ! ハイ! ハイ!」とコール&レスポンスした直後に、バラード「さよならの時くらい微笑んで」や2ビートパンク仕立ての「DEAD SET」を連射するなど、“ファフナー楽曲”とangelaのディスコグラフィのバリエーションの豊富さを見せつける。そして2人は、改めて「蒼穹のファフナー EXODUS」の挿入歌であるヘヴィロックチューン「その時、蒼穹へ」で客席とともにヘッドバンギングしてライブ本編を締めくくった。

熱烈なアンコールの声に応えたのは、いつもの「大サーカス」と同じ。自称“angelaの弟分”にして、atsuko、KATSU、angelaのサポートバンドと瓜二つのメンバーからなるドメスティック▼ラブバンドだ。ゴールドのジャンプスーツ姿で客席上手側中央の入り口からホールに入場し、大歓声の中、ステージに上がった面々は「オレたちの代表曲を聴いてくれ!」のシャウトとともに、それぞれブラスパンクと1990年代ハードロックにアレンジされたangelaの「Shangri-La」と「Proof」を連投。さらにライブ序盤のatsukoのMCにならったか、「新曲を聴いてくれ!」と、またもブラスパンクアレンジを施した、アイドルマスター シンデレラガールズの「お願いシンデレラ」とfripSide「only my railgun」を連発して、笑いと歓声の中、ステージをあとにした。

ダブルアンコールには“本物”のangelaが登場。「最近『初めまして』の現場で『アニソン界の大御所』『カリスマ』なんて呼んでいただくことがあるんですけど、大御所が金色のカッコします?」とKATSUがボヤけば、atsukoが「カリスマがこんなにしゃべります?」と続けて笑いを誘う。その後「おかげさまで2015年、ホントにキラキラすることができました!」と、中川翔子への提供曲「キラキラ-go-round」をセルフカバーして「君にありがとう!」の大合唱を巻き起こすと、atsukoはKATSUやダンサー、クラウンとともにステージ奥へと続く階段に腰掛けて、涙ぐみながら「2015年は思いもよらない別れがありました」「でもだからこそ、こうして歌える機会があることは幸せだと思っています」とポツリ。やはり目に涙を浮かべるKATSUのアコースティックギターに合わせてバラード「Peace of mind」を歌い上げた。

その優しい歌声に万雷の拍手が送られると、atsukoとKATSUは一転。「泣いてばかりもいられない!」「ぢぇらっ子の本気の声を聞かせてほしい!」とシャウトするや、“本家”「Shangri-La」を投下。タオルを振り回すぢぇらっ子たちをサンバホイッスルで煽り、そのエンディングではイヤーモニターを外して客席の歓声を直に受け取りつつ、ジャンプを3連発。この日の公演と2015年最後のangelaのライブの全演目を終了させた。

そして改めてマイクを取ったKATSUが、今年夭逝した「蒼穹のファフナー」シリーズの出演声優・松来未祐との思い出を振り返る形で「Peace of mind」での涙の理由を明かし、「今日『大サーカス』を観たヤツ! 絶対にangelaの前からいなくなるな!」と絶叫し、atsukoが「2016年も本当にバカみたいなヤツらと、バカみたいなみんなと一緒に、こういうステージを作れるように頑張ります」と宣言したところで幕。ベートーベンの交響曲第9番第4楽章「歓喜の歌」を背に彼らはステージをあとにした。

それでも鳴り止まない拍手に応えてダンサー、クラウン、バンドメンバーに続いてカーテンコール形式でステージに舞い戻ったatsukoとKATSUが5月21日に山梨・河口湖ステラシアターで「全部が主題歌ライヴ!!」を開催することを発表し、BGMとして流れていた「DEAD OR ALIVE」を歌ったところで本当にこの日のステージは終了。ゆっくりと降下してきた緞帳に「2016年もangelaはここにいる!」というメッセージが大きく投影され、今年の「大サーカス」は無事大団円を迎えた。

angela「ミュージック・ワンダー★大サーカス2015 ~10th Anniversary~」
2015年12月29日 東京国際フォーラム ホールC セットリスト

01. イグジスト
02. ANGEL
03. in your arms
04. 二十四節気恋唄
05. 騎士行進曲
06. KIZUNA
07. キラフワ
08. cheers!
09. 愛すること
10. ホライズン
11. DEAD OR ALIVE
12. シドニア
13. 「蒼穹のファフナー」メドレー(fly me to the sky~蒼穹~さよならの時くらい微笑んで~Separation~DEAD SET~約束~innocence~FORTUNES)
14. その時、蒼穹へ
<アンコール>
15. Shangri-La
16. Proof
17. お願いシンデレラ~only my railgun
<アンコール2>
18. キラキラ-go-round
19. Peace of mind
20. Shangri-La

※文中▼はハートマークが正式表記。

※ライブ写真はいずれも12月28日公演のものとなります。