【パリ時事】2015年1月にイスラム過激派に襲撃されたフランス風刺紙シャルリエブドが6日、事件から1年を機に特別号を発行した。表紙には「テロリストは逃走中」との題名で、自動小銃を背負った白髪の神のイラストを掲載。辛辣(しんらつ)な編集方針を維持したとも言えるが、宗教関係者からは批判が相次いでいる。

 同紙は過去にイスラム教が姿を描くことを禁じる預言者ムハンマドの風刺画を載せ、過激派の報復対象となった。襲撃事件後、同紙関係者はムハンマドは当面描かない意向を示しており、今回の表紙ではどの宗派の神なのかは特定していない。

 それでも、イスラム差別監視団体の代表者は仏メディアに「漫画家らを殺害したのはテロリストだ。宗教ではない」と不快感を表明。キリスト教の神父も「犠牲者家族が見たら侮辱されたと感じるだろう」と憤った。