リアル社会を“予知”する前代未聞のスマホゲームは,バトルシステムも魅力的だった。「予言者育成学園 Fortune Tellers Academy」先行プレイレポート | ニコニコニュース

 スクウェア・エニックスは2016年1月中に,スマートフォンゲーム「予言者育成学園 Fortune Tellers Academy」(iOS / Android)の配信を開始する予定だ。

 このタイトルは,現代の日本で近日中に起きるリアルの出来事の結果を“予知”しながら進めていくという,これまでにないタイプのリアル連動型ゲームである。

 今回4Gamerでは,配信に先駆けて本作をプレイする機会を得たので,事前情報では公開されなかったゲームシステムの詳細を,インプレッションを交えながら紹介していこう。

リンク:「予言者育成学園 Fortune Tellers Academy」公式サイト

■「予言テスト」で将来リアルに起きる出来事の結果を予知していく

 本作の舞台となるのは,亜人種「アルカナ」が大量に現れ,人類の脅威となっている世界。アルカナに対抗できる唯一の手段が予言者の存在だと判明して以来,魔法学園「フォーチュン テラーズ アカデミー」(FTA)では,14歳から18歳の少年少女達を予言者として育成している。


 プレイヤーの分身である主人公は,そうしたFTAの生徒の一人として,空想世界「ジパング」にて日々起きているさまざまな出来事を予知することで,予言者としての能力を培っているのだ。

 本作をプレイする上で大きなポイントとなるのは,「予言テスト」「バトル」「ストーリー」の3つ。


 その中でも一番重要なのは,空想世界ジパング──すなわちリアルの現代日本で日々起きている出来事の結果を予想する,予言テストである。

 予言テストは1日数問ずつ,5日〜1週間後に起きる出来事に関する内容が出題される。問題のジャンルは,「時事/トレンド」「政治経済」「アニメ/ゲーム」「グルメ」「芸能」「スポーツ」「趣味/雑学」「ノンジャンル」の8つがあるので,プレイヤー各自の得意なものを選択することも可能だ。

 各問題には8種類の選択肢が用意されており,プレイヤーは各自予想を立ててどれが正解かを選択することとなる。この選択には「PP」(スタミナ)を10ポイント消費するのだが,PPの量は最大40ポイントあるため,一つの問題に対し複数の選択肢を選ぶこともできる。

 さて繰り返し記しているとおり,本作では将来起きる出来事の結果を予知しなければならないため,選択肢を選ぶ時点では何が正解なのか誰にも分からない。しかし本作では,プレイヤーの予知の手助けとなる4つの手段が用意されている。

 手助けの1つは,「教えてジャン先生!」というボタン。このボタンを押すと,FTAの予言テスト担当教師・ジャン先生が,各問題の題材となる出来事の由来や意図,過去の傾向などの蘊蓄を詳しく,かつ分かりやすく教えてくれる。


 正直,かなりの長文なのだが,これを読むと雑学知識が増えたり,ためになったりもするので,答えるつもりのない苦手なジャンルの問題であっても,ここだけは目を通しておきたいと思う人もいるかもしれない。

 2つめは,それぞれの選択肢に表示されている倍率。本作では競馬などのオッズと同様に,同じ選択肢を選んでいる人が多いほど,その選択肢の倍率が下がり,逆だと倍率が上がるようになっている。ただし,前人気が高い選択肢が本当に正解かどうか分からない点には注意する必要がある。


 なお本作では,プレイヤーの選んだ選択肢に対して,所持しているゲーム内通貨を投資する仕組みとなっている。もしも予知が的中すれば,投資額に倍率を掛けたぶんのゲーム内通貨を入手できるので,一攫千金を狙って大穴を選んでみるというプレイもアリだろう。

 3つめは,「予知してる人」ボタン。自分が予知しようとしている問題に,ゲーム内のフレンドが先に予知している場合,このボタンを押すことで,誰がどの選択肢を選んでいるか確認できる。


 さらに1日1回だけ,フレンドの予知に「ただ乗り」することも可能だ。ただ乗りした場合には,PPの消費もゲーム内通貨を使った投資もなしで予知ができ,かつ的中した場合には,きちんと自分の予知的中率が上がる。したがってフレンドが多いほど,苦手分野が少なくなり,的中率も上昇しやすくなるというメリットがある。

 4つめは,SNSを介して他人の知恵を借りること。出題画面にはTwitter,Facebook,LINEのボタンが用意されており,その場で友人や知人に相談したり,アドバイスを得たりしやすくなっているのである。


 またSNSを使って,自分がどの問題にどんな予想を立て予知したかを公開することもできる。これを利用すれば,見知らぬ人がその選択肢を選んだ根拠などを探ることもできるかもしれない。

 こうした過程を経て,プレイヤーは各問題の結果を予知し,それが正解だったかどうかを,イベントの開催やテレビ番組の放映で確認することとなる。


 まとめると本作における予知とは,自分の持っている知識に加え,ほかのプレイヤーがどういった選択をしているのかをリサーチしたり,友人や知人,ゲーム内フレンドの助けを借りたりしながら,自分なりの予想を立てていくというものである(世間は広いので,ひょっとすると本来の意味での予知能力を発揮し,ズバズバ正解を出していくプレイヤーがいるかもしれないけれど……)。
 正解を得るためには,知識の量だけではなく,ときにリサーチ力やコミュニケーション能力が必要となり,かつ運の要素にも大きく左右されるため,見事的中したときの喜びも普通のクイズより大きくなるのは間違いないだろう。

■「絶対予知」の存在がターン制バトルに尋常ならざるスリルをもたらす

 本作の第2の大きなポイントとなるバトルでは,人類の敵であるアルカナと戦うことになる。バトルは予言テストと1セットになっており,予言者の発する予知の光がアルカナを引き寄せ,バトルが発生する。プレイヤーはアルカナのバトルに勝利して彼らを捕獲できるのだが,全種類のアルカナを集めることが本作におけるやり込み要素の1つとなっている。

 本作に登場するアルカナは,タロットカードの小アルカナと同じ全56種類。今どきのスマートフォンゲームとしては少ないと感じるかもしれないが,それぞれの種類には低い順からC/B/A/S/SS,またはそれ以上のランクが存在するらしいので,実際にはかなりの種類のアルカナが存在するのだ。

 肝心のバトルは,ターン制のコマンド選択方式となっており,手持ちのアルカナの中から4体を選んで敵と戦う。それぞれのアルカナはAIで各ターンの行動を決めるため,基本的にオートバトルなのだが,プレイヤーはターンごとにMPを消費して特技を使い,味方アルカナの攻撃力を上げたり,敵アルカナの攻撃をガードしたりといった形で味方のアルカナをアシストできる。


 またアルカナはそれぞれ必殺技を持っており,バトル中の行動に応じてアルカナごとに「必殺ゲージ」が溜まっていき,MAXになるとプレイヤーの任意で発動できる。このあたりは,一般的なスマホRPGと同様の仕組みである。

 本作のバトルでもっとも特徴的なのが,画面左下のボタンで発動する「絶対予知」である。これは,敵アルカナが次のターン内に取る行動を予知するというもので,たとえば特定の味方アルカナに致命傷を与えるという結果が出れば,あらかじめその味方アルカナにガードをさせておくという対抗措置を講じることができる。逆に,敵アルカナが自身の能力アップを図るようであれば,こちらも特技で味方アルカナの強化をしたり,あるいは何もせずにMPを回復したりすればいい。

 なお絶対予知は,バトル中にランダムで発生する使用制限(最大3回)がゼロになると使えなくなってしまう。そうなると今度はプレイヤー自身が敵アルカナの行動を予想し,次の行動を決めることになる。とくに敵アルカナが味方アルカナより少し強いときは,この予想が当たるかどうかが勝敗の分かれ目となりやすいので,実際にプレイしてみると非常に緊張し,絶対予知の恩恵の大きさをあらためて実感できる。

 なお,筆者は今回の先行プレイにて,絶妙な強さの敵アルカナとバトルしたのだが,終盤では絶対予知が使えてもMPが尽きてしまい,特技が発動できず運頼みで戦うという局面を体験した。まさに手に汗握る状態であり,「分かっているのに何もできない」という,絶対予知が存在する本作ならではのスリリングな展開を経験できた。

 バトルのもう一つの特徴は,画面右上の「戦勝確率」だ。これは敵アルカナに確実に勝てる確率を示しており,バトルの状況に応じて変動する。当然,確率が大きいほど味方アルカナが有利であることを示しており,100%のときに数字をタップすれば,バトル終了までオートかつ高速で進められる。手に汗握るバトルの連続では,プレイしていて疲れてしまうので,こうした配慮はありがたいところだ。

■1話あたり2分のボリュームで,多彩なキャラの活躍を描く学園ストーリー

 3つめの大きなポイントとなるストーリーは,ログインボーナスにあたる「本日のプリント」をクリアするごとに,1話ずつアンロックされていく。本日のプリントはチュートリアルを兼ねており,1日3項目ずつゲーム内の基本的な操作をこなすとボーナス報酬を得られるという内容だ。

 ストーリー1話分は,たとえば通勤通学の電車内で楽しめるよう,2分程度で読めるボリュームになっているとのこと。


 ネタバレになってしまうので具体的な内容については控えるが,魔法学園を舞台に相当こだわったものに仕上がっているとのことなので,ぜひ期待してほしい。

 なおスクウェア・エニックスのスタッフによると,ゲームの正式配信後にはランキングイベントを開催する予定だという。ランキングイベントは,予言テストの的中率に応じてプレイヤーが40名ずつの学級に分けられ,どの学級がどれだけ早くレイドボスを倒したかを競うという内容で,上位の学級には全員にアイテム「月のかけら」が提供される。このアイテムを12個集めると,確実にSSランクのアルカナを入手できる「アルテミス召喚」を行えるのだ。このアイテムは「神託召喚」(有料ガチャ)を10連続で行ったときに1個だけ入手できるというところからも,その価値の高さが分かるだろう。

 事前の情報でも紹介しているが,本作に携わるクリエイターも豪華で,キャラクターデザインには「ビブリア古書堂の事件手帖」のイラストを手がけた越島はぐさん,テーマソングには「ゼノブレイド」や「タイムトラベラーズ」(PS Vita / 3DS / PSP)のボーカル曲を歌ったサラ・オレインさんを起用。また予言テストの問題は,テレビのクイズ番組で実際に問題を作っている“クイズ王”達が制作しているという。

 そしてゲームデザインおよびストーリーを手がけたのは,「ドラゴンクエスト」シリーズのクリエイターとして知られる藤澤 仁氏だ。藤澤氏と言えば,「ドラゴンクエストVIII」「IX」「X」にてバトルシステムに深く関わり,また「ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー」ではバトルディレクターを務めた人物だけに,本作でもバトルデザインには相当力を入れたとのこと。

 今回の先行プレイでは,藤澤氏から本作について直々に解説してもらえたのだが,そもそも本作のバトルは,ゲームの中心となる予言テストの魅力を引き立て,継続のモチベーションを高めるために用意したものだったという。それをより面白くできないか試行錯誤するうち,いつの間にかもう一つのセールスポイントと言えるくらいの内容になってしまったと語っていた。


 一方,本来のセールスポイントである予言テストは,誰もが知っている内容ではなく,あえて小学生の間で話題になっていることや年配の方にしか分からない事柄,かつそのときどきのトレンドにフォーカスすることで,身近な人とのコミュニケーションや世代間の交流を促したいという狙いも込めているそうだ。

 ちなみに今回の先行プレイは,藤澤氏以外にもスクウェア・エニックスのスタッフ数名に見守られながら行ったのだが,予言テストにしろバトルにしろ,「こうするといいのでは」「そうじゃない,そうじゃない」といった感じで口を挟みながら盛り上がることができたので,(“動き”の派手なゲームではないが)意外と実況プレイの配信にも向いているアプリなのかもしれない。

 そんな本作では,配信開始後にさまざまな展開を実施予定だという。その一つとして,本作の配信開始と同時にオープンする公式サイト「予言者育成学園 Fortune Tellers Academy 東方見聞録」では,ゲーム内で公開中の予言テストの問題およびジャン先生による蘊蓄に加え,過去問題の解答および解説,そして正解者の数や回答者の男女比率,年齢層の分布などを公開するという。本作のプレイヤーはもちろん,ゲームを遊んでない人でも楽しめるコンテンツとして機能しそうだ。

 そのほかの展開についても順次発表されていく予定とのことなので,「予言者育成学園 Fortune Tellers Academy」に興味を持った人は,近日配信予定の同作をプレイしつつ,リアル連動型ゲームならではのイベント/キャンペーン展開にも期待してほしい。

リンク:「予言者育成学園 Fortune Tellers Academy」公式サイト

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関連タイトル:
・iPhone 予言者育成学園 Fortune Tellers Academy
・Android 予言者育成学園 Fortune Tellers Academy

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