スタン・ハンセンの人生相談! 日本通すぎる“不沈艦”が悩みを「ウィ~!」と解決 | ニコニコニュース

スタン・ハンセンの人生相談! 日本通すぎる“不沈艦”が悩みを「ウィ~!」と解決
週プレNEWS

一撃必殺のウエスタン・ラリアットを武器に新日本プロレス、全日本プロレスで約30年にわたり外国人エースとして君臨したスタン・ハンセン。

引退以降の日々を綴(つづ)った回想録を出版したハンセンが、俺たちの悩みを聞いてくれるという。スレンダーなミドルエイジの東洋美女を伴って現れた“不沈艦”の人生相談、いざゴング!

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Q1.プロを目指して20年、音楽をやってますが日の目を見ず。カノジョは応援してくれてるけど、本音ではマトモな仕事に就いてほしいはず。でもバンド仲間たちと離れたくないし…。成功者であるハンセンさんには、ぼくの気持ちがわかりますか?

(40歳男性・バンドマン)

ハンセン ネバー・ギブアップ! この精神は大事だし、若い頃には夢や目標を持つべきだ。とはいえ、20年やってうまくいかないのなら、そろそろ決断するべきじゃないか。一緒に頑張ってきた“野郎ども”を選ぶのか、将来のお嫁さんのために生きるのか…。

―引き際の判断は難しいでしょうが、ハンセンさんはどのように決意したんですか?

ハンセン 私の場合はコンディションが理由だ。リングで100%のパフォーマンスが見せられなくなったら辞めようと以前から決めていた。やるべきことは全てやったから、引退後、リングへの未練は一切なかったね。

―でも、この彼はまだ力を出し尽くしてないようです。

ハンセン ならば、決断は先送りして今はちょっと休んでみたらどうだい? 音楽は70歳を超えたってできるだろう。ひょっとしたら、キミの成功の道は今のバンドにはないのかもしれない。音楽の指導者の才能があるかもしれないし、子供が生まれたら、その子がキミの夢を叶(かな)えてくれるかもしれない。今はじっくり考えてみてはどうかな?

Q2.入社して10年、責任ある仕事を任され充実しているけど、弱小企業で景気も悪く、給料が上がりません。年収は大学の同級生の半分以下。お金のために転職するってどう思いますか?(34歳男性・会社員)

ハンセン まず、キミは幸せなのか?と問いたい。なんのためにその会社で働いているのかが重要だ。キミが今の仕事を愛しているなら続けるべきだし、もっとお金が欲しければ副業をしたっていいじゃないか。そりゃあ楽しく働いて稼げれば理想的だが、人生に完璧な状態などないよ。

―もっといい待遇の会社があったら行くべきですか?

ハンセン 終身雇用という伝統もあるが、日本の雇用形態も多様化しているんだろう? 同じ仕事でもっと稼げる会社があれば移籍するのもいい選択だ。私は新日本にいた頃、すごく充実していたし、なんの不満もなかった。しかし、全日本に移籍する機会があり、それを選んだ。

―全日本への“転職”はどんな経験でした?

ハンセン 不安はあったよ。新日本とはスタイルが違うし、新日本で保証されていたものが全日本でも本当に保証されるかはわからないしね。ただし、ひとつ言いたいのは、お金のためだけに動いてはいけないということだ。転職はすごくエキサイティングなことだから、人生の中でそれがどんな意味を持つか、しっかり考えて動くべきだ。

Q3.自然食品などオーガニックな生き方が合う男性と出会い結婚しました。ところが最近、彼が意外な性癖を告白し戸惑っています。彼は私にナイロンのTバックをはいてほしいと言うのです。私は自然素材の下着しかつけません。離婚するべきでしょうか?(33歳女性・飲食店店員)

ハンセン ハッハッハ! おっと失礼…これは難しい質問だな。夫婦といえど他人なんだから、お互い好きなことだけやってたら結婚生活はうまくいかない。お互いの生き方や趣味を理解した上で、譲り合うことが必要だ。とにかく話し合うことだね。

―ハンセンさんの奥さまは13歳年下の日本人なんですよね。結婚当初、文化の違いで衝突したりは?

ハンセン 国や年齢に関係なく、磁石のS極とN極のようにガッチリ噛(か)み合う夫婦なんていないよ。私たちはお互いに少しずつ合わせながら問題を克服してきた。何事もそうだが、まず自分より相手のことを考えること。相手も同じ気持ちならバランスが取れていくものだよ。

―ちなみに、夫婦ゲンカしたら、どっちが勝つ?

ハンセン (目の前の女性に向かって)キミが勝つよな?

―あっ! やっぱ奥さまでしたか(汗)。

奥さま 私たちはしっかりコミュニケーションを取っていますから、あまりケンカはしませんよ(笑)。

ハンセン ほとんどしないね。我々はグッド・フレンドでもあるのさ。キミたちもきっとそうなれるよ!

Q4.出版不況で仕事が激減。妻は子育てを経て職場復帰し、忙しく働いてます。正直、妻の収入だけでやっていけるので、専業主夫として彼女を支えたいという思いも。でも、それって男らしくないですよね?(42歳男性・フリーライター)

ハンセン 42歳? 厄年だね

―さすが日本ツウ!

ハンセン キミが「男らしくあるべき」と考えるのは間違いではないが、夫婦は力を合わせて生きていくもの。外に出て働くのも、内を守るのも重要で、どちらがエライなんてことはないんだ。だから、キミが主夫になったとしても男ではなくなったなんてことにはならない。

今、世界的に不景気で夫婦共働きじゃないとやっていけない時代になっているんだから、稼がなきゃ男じゃないとか関係ないだろう。私自身も引退後は主夫をやっていて、妻が看護師として頑張って働いてくれている。人生は長い目で見れば、必ずフィフティ・フィフティになるものさ。私の本を読んで、ポジティブにエンジョイしてほしいね。ウィ~!!

■スタン・ハンセン

1949年生まれ、テキサス州出身。必殺技ウエスタン・ラリアットを武器に、新日本ではアントニオ猪木らと、全日本ではジャイアント馬場、ジャンボ鶴田、天龍源一郎、三沢光晴らと激闘を展開し、長きにわたり日本マット界の外国人エースに君臨した。2001年に現役引退。ユミ夫人との間にふたりの息子がおり、長男はシアトル・マリナーズにドラフト指名された元野球選手

『日は、また昇る。男の引き際と、闘うべきとき』

徳間書店/1800円+税

ラストマッチから15年間の日々や、日本マットやライバルたちへの思いをつづった、書き下ろしの回想録。“不沈艦”の生きざまや哲学が満載!!

(取材・文/中込勇気 撮影/平工幸雄)