自衛隊「P-3C」南シナ海派遣、中国で強い反発「米への協力に名をかりて軍国主義実施」 | ニコニコニュース

サーチナ

 防衛省・自衛隊がP-3C哨戒機をフィリピンやベトナムなど南シナ海に面する国の基地を優先的に経由させる方針を固めたことに対して、中国で強い反発の声が出ている。

 海上自衛隊はこれまで、P-3C哨戒機をアフリカ・ソマリア沖での海賊対処活動に参加させる際、こシンガポールやタイなど南シナ海から比較的離れた基地を給油地に利用してきた。P-3C哨戒機の往路はこれまで通りで、復路はフィリピンやベトナムなど南シナ海に面する国の基地を優先的に経由させる方針だ。

 P-3Cは中国が自らの領海と主張する海域の上空を飛行して「上空飛行の自由」を主張することになる。立ち寄るフィリピンやベトナムでの交流活動も予想され、日本として南シナ海での中国の行動を容認しない考えを国際社会にアピールすることになるのは確実だ。

 中国人民広播電台(中国人民ラジオ)が運営するニュースサイトの「央広網」はP-3Cの南シナ海飛行について「日本がP-3Cを南シナ海に派遣、米国との協調に名をかり、軍国主義実施」の見出しで伝えた。

 記事は、P-3Cの飛行ルート変更は、軍事目的ではなく主に政治、外交目的と解説。まずは「米国に対して、日本は南シナ海の問題に積極的に介入する意向を示すため」と論じた。

 さらに、米国にとってみれば、日本が同問題に介入するかどうかは「同盟関係についての試験田」と主張。米国は世界全体の政治・軍事に介入する能力が相対的に低下しており、軍事費も想定的に低減する背景があるため、日本がアジア太平洋問題、とりわけ南シナ海の問題にこれまで以上に介入することを欲していると論じた。

 記事は、米国の考えを批判。日本がアジア太平洋地区、ひいては全世界で大きな動きをすることは「日本を真の意味で政治軍事大国にすることになる。特に、日本のさらに大きな政治目標である平和憲法からの徹底的離脱をさせてしまうことになる」と主張した。(編集担当:如月隼人)(写真は央広網の11日付報道の画面キャプチャー)