首相官邸の屋上に小型無人機「ドローン」を落下させたとして、威力業務妨害罪などに問われた山本泰雄被告(41)の公判が12日、東京地裁(田辺三保子裁判長)であった。弁護側が最終弁論で改めて無罪を主張し、結審した。判決は2月16日。

 弁護側は最終弁論で、人のいない深夜の官邸前庭にドローンを着陸させようとしただけで、同罪の「威力」に当たらないなどと主張。原発再稼働に反対する表現行為で、違法ではないと訴えた。

 山本被告は最終意見陳述で、「多くの方に迷惑を掛けて申し訳ない」と謝罪する一方、押収されたドローンの返却を求めた。

 検察側は「計画的犯行で、態様は危険で悪質」と主張し、懲役3年とドローンの没収を求刑している。

 起訴状によると、山本被告は昨年4月9日未明、東京都港区の駐車場からドローンを飛ばし、官邸屋上に落下させ、同22日に発見した職員らの業務を妨害したなどとされる。