日本はニホン?ニッポン?――近年はニホン派が増加 | ニコニコニュース

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ニホンなのかニッポンなのか、あらためて聞かれるとちょっとややこしい日本という日本語。

東京の日本橋は(ニホンバシ)なのに、大阪の日本橋は(ニッポンバシ)だったり、スポーツ観戦では、ニホンの選手などといいながら、応援に力が入ると「がんばれニッポン!」になるなど、なんとも曖昧。

ホワイ!ジャパニーズピーポー!!

地名はともかく、日本の言い方・読み方の違い、その基準はいったいナニ?どこにあるのでしょうか?

日本語の言い方・読み方の違いについては、教科書を発行する出版社にもたびたび問い合わせが寄せられるそうです。一見単純なことのように思えますが、そのじつ、非常に難しい問題だったのです。

●正式の国号としては「ニッポン」

そうしたなか、教科書出版元をはじめ、国語辞典などでも、NHKの使用方針がよく例として紹介されています。

というわけで、『NHKことばのハンドブック第2版』で調べてみると、"正式の国号として使う場合は[ニッポン]。そのほかの場合には[ニホン]と言ってもよい。"という方針が示されていました。

これは、昭和9年に決定された方針で、じつはその後、NHK放送文化研究所による、「国の名前はニホンがいいか、ニッポンがいいか?」という調査が過去に何度か行われています。

もっとも古い1963年の調査では、「ニホン」が45.5%、「ニッポン」が41.8%と、ほとんど差はなかったようです。

最近では2003年に調査が行なわれていますが、このときは「ニホン」が61%、「ニッポン」が37%と、ニホン派がかなり増加。年代別でみると、若い人ほど「ニホン」という傾向にあることもわかりました。

●日本国民はニッポンコクミンですがコレは?

ここでクイズです。次のうち、ニッポンと読む語はどれでしょうか?すべてあげてみてください。

日本大学日本共産党日本放送協会日本酒日本海日本航空東(西)日本

わかりましたか?

正解は、日本放送協会のみ。それ以外はすべてニホン、でした。

●「ニホン」とも「ニッポン」とも読める語もある

次の言葉は「ニホン」または「ニッポン」と読むことができます。

日本一、日本記録、日本犬、日本語、日本三景、日本時間、日本製、日本男子、日本刀、日本晴れ、全日本

なお、日本アルプス、日本銀行は、「ニホン」を第1とし、「ニッポン」を第2として読むのだそうです。

このように、なんとも曖昧な日本という日本語。かつては、「ニッポン」に統一しようとする強い動きもありましたが、政府での採択に至らず。

近年においても政府の見解では、日本の読み方をニホンかニッポンかのどちらかに統一する必要はないとのことで、ややこしさは当分解消されることはなさそうです。

文・鈴木ゆかり

※参考

『NHKことばのハンドブック』(NHK放送文化研究編/日本放送出版協会)NHK放送文化研究所 http://www.nhk.or.jp/bunken/index.html