地震前日、突如として青森の空に現れた謎の「光柱」 北海道・震度5弱の前兆現象だった!? | ニコニコニュース

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TOCANA

 北海道や青森県で不穏な地震が相次いでいる。1月14日12:25ごろ、北海道浦河沖を震源とするM6.7の地震が発生し、函館市や青森県東通村では震度5弱の揺れが観測されたが、その3日前となる11日15:26ごろには、青森県三八上北地方を震源とするM4.6の地震が発生し、青森県南部町でやはり震度5弱の揺れが観測されている。数日の間に震度5レベルの地震が連続する状況に、さらなる大地震の発生を危惧する声も巻き起こっているようだ。

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■地震前日、突如として現れた謎の「光柱」

 そして今、13日夕方に目撃された“ある光景”が、14日の地震の前兆現象だったのではないかとしてにわかに注目を集めている。なんと、青森県三沢市の東の空に、突如として数本の“光の柱”が出現していたというのだ。朝日新聞によると、これは「光柱(こうちゅう)」と呼ばれる現象で、同市沖合で操業中だったイカ釣り漁船の漁火(いさりび)が光源だったと考えられるという。

 別名ライトピラーとも呼ばれる「光柱」現象だが、上空に六角板状や六角柱状の氷晶が存在する場合、光源がその氷晶に反射することで発生する。しかし、三沢市役所には津波の前触れではないかと疑う市民からの問い合わせも寄せられていたようだ。それもそのはず、東北大学アジア研究センターの地質学者・石渡明氏がまとめたホームページ「地震の前兆の可能性がある自然現象」によると、東日本大震災発生の前日(2011年3月10日)、宮城県南三陸町の岬の先で、光の柱が空に伸びていたことが判明しているという。この前例に鑑みても、三沢市の「光柱」が14日の地震発生を告げる前兆現象、すなわち「宏観異常現象」であった可能性は捨て切れないのではないか。


■サイエンス・ライターが解説、地震前の発光現象

 では、「光柱」とは、本当に地震発生の前兆現象たり得るものなのか? 仮にそうだとすれば、一体どのようなメカニズムで地質の異変が「光柱」の発生につながるのか? トカナでもお馴染みのサイエンス・ライター川口友万氏に尋ねたところ、次のような答えが返ってきた。

「『光柱』が立つと地震が来るという俗説は現在も検証されていません。ですから、前兆現象であるともないとも言い切れません。ただし、地震の前触れとしての発光現象自体は世界中で多数目撃されており、そうした現象があるのは間違いないでしょう」
「事実、日本でも1965年8月3日から1970年にかけて起きた松代群発地震で、空が光る発光現象が確認されています。気象庁の松代地震観測所のホームページには、当時の記録が掲載されています。それによると、蛍光灯のように白く山の稜線が光り、夜中にもかかわらず腕時計の針が読めるほど明るくなったそうです」
「仮説ですが、玄武岩などの帯電しやすい岩石層に、動く岩盤のエネルギーが加わることで岩が帯電。高電圧の電流が岩脈(岩のすきまにマグマが入り、固まったもの)に沿って走ることで発光するのではないか? とも言われています。岩の間を雷が走るわけですね」
「雷は、ごくまれに球雷のように、人魂や火球のような形をとることもある不思議な自然現象です。もしかしたら地下から地上へと駆け上がった雷が、『光柱』のような形となって現れているのかもしれません」(川口友万氏)

 やはり、断言することはできないが今回の「光柱」が地震の前兆現象であった可能性を完全に排除することはできないようだ。地震とその前兆とされる現象との間には、現在も数々の謎が残されたままになっている。地震の予知という究極の課題に一歩でも近づくためには、あらゆる現象との関連を考慮しておく必要があるのではないだろうか?


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